2023.04.28

誕生から60余年。モロゾフのカスタードプリンは、プリンの中のプリン。これぞ、ザ・スタンダード。

モロゾフ

目次

誕生から60余年。モロゾフのカスタードプリンは、プリンの中のプリン。これぞ、ザ・スタンダード。

モロゾフ社員流、カスタードプリンのお作法

モロゾフの代名詞ともいえる、看板商品のカスタードプリン。つくり手としてその愛を惜しみなく語ってくださるのは、マーケティング本部の小森華子さんと松山美由さん。

モロゾフのプリンやチーズケーキといった製品をつくる、洋生(ようなま)チームのおふたり
モロゾフのプリンやチーズケーキといった製品をつくる、洋生(ようなま)チームのおふたり

とくに、厳選された牛乳、卵、砂糖、バニラ香料から作られるカスタードプリンは、誕生から60年を超えるロングセラー商品です。

「心に余裕があるお休みの日は、自分のために自宅でプリンプレートを作ることがあります。くだものとクリームを添えて、紅茶もティーポットで淹れて。月に1回でも、そんなゆとりが持てるのが理想ですね」と、自身のプライベートでの楽しみを教えてくださったのは、小森さん。

モロゾフマーケティング本部商品企画部企画第1課の小森華子さん
モロゾフマーケティング本部商品企画部企画第1課の小森華子さん

お話しながら蓋を開け、スプーンの背を使って、やさしくカスタードプリンの表面を押さえはじめます。モロゾフのプリンといえばガラス瓶が名物。そのままスプーンですくって食べてもいいけれど「定番のカスタードプリンに関しては、ひとくち目からカラメルソースと一緒に食べられるように、こうしてお皿に出す食べ方を推奨しているんです」といいます。

「この、最初の押し加減が結構重要なんです。社員はみんな、この動きをやりますね(笑)」

ガラス瓶に入った姿が有名なモロゾフのプリン。 でも、カスタードプリンはお皿出しを推奨
ガラス瓶に入った姿が有名なモロゾフのプリン。でも、カスタードプリンはお皿出しを推奨

松山さんも、隣で同様にスプーンを扱います。容器からプリンのふちを離すように、少しずつガラス瓶を1周。プリンにお皿をかぶせて両手に持ち、逆さにしてそのまま両手で前後に揺らすと、プルッ、プルプルッ、とゆっくりプリンが落ちてきて、ポンッ!

なんともほんわか愛らしい、プリンプレートの完成です。

モロゾフ

愛おしさを重ねて、プリンを生み出す日々

小森さんと松山さんは、定番のカスタードプリン以外の季節もののプリンを2、3カ月に1度というサイクルで生み出しています。どのように食べられるか、その時、味や食感はどう変わるのかということも、とても重要なことだといいます。「たとえば、桃と紅茶のプリンをつくった時ですね、」と、松山さん。

モロゾフマーケティング本部製品開発部の松山美由さん。
モロゾフマーケティング本部製品開発部の松山美由さん。
カスタード以外のプリンはガラス瓶の形状も異なる

「初めに小森さんからいただいた案では、桃のプリンに紅茶のソースと紅茶のゼリーという構想だったんです。でもそれだと、上からスプーンですくって食べた時に、先に紅茶の渋みを感じてしまい、甘い桃のプリンを食べている感覚が薄れてしまったんです」

さて、どうするか。そこが松山さんの腕の見せどころ。

「紅茶と桃、ふたつの味のバランス、コンビネーションをしっかり楽しんでもらうなら、真ん中を紅茶のプリンにして、ゼリーの部分を桃にすることで、両者の味わいや風味がより引き立つのでは?と、組み立てを変えて小森さんに相談しました」

二人でやり取りをしながら、最終的により良いものを作り上げられるようにコミュニケーションをとる
二人でやり取りをしながら、最終的により良いものを作り上げられるようにコミュニケーションをとる

夏の光にキラキラ輝く紅茶のゼリー、というイメージが頭に浮かんでいた小森さんも、食べてみてその違いを納得。「さらに、桃を紅茶のベルガモットの香りで繋いで、全体としてとてもバランスのいい商品ができあがりました」。

もちろん、味わいや風味だけではなく、見た目や食感も大切。「例えばひとくちに緑といっても、抹茶、メロン、マスカット、それぞれ違います。直感的にそれとわかるようにするには、店頭に並んだ時に照明を受けてショウケースの中でどう見えるか、ということも重要なんです」と松山さん。

松山さんが使うプロの道具の中にも、プリンの空き瓶の姿を発見 松山さんが使うプロの道具の中にも、プリンの空き瓶の姿を発見
松山さんが使うプロの道具の中にも、プリンの空き瓶の姿を発見

こんな風に、ふたりで幾度もコミュニケーションを重ねて完成まで漕ぎ着けます。

「今やプリンはまるでわが子のような存在。愛おしくて愛おしくて、みんな美味しく食べられるんだぞ〜と心の中でエールを送っています」。照れるように小森さんが笑います。

モロゾフ

モロゾフが、私のプリンのスタンダードに

ところが、実は入社するまでモロゾフがプリンを作っている会社だと知らなかった、と明かす小森さん。「だから、入社まもなく店頭販売を経験して、こんなに毎日たくさんのプリンが売れるんだ!とびっくりして(笑)」。

小森さん
「定番のカスタードプリンは私たちより長生きしているものだし、社内を含め、好きな方、こだわっている方がたくさんいらっしゃるし、その気持ちを大切にしたい」(小森さん)

「付き合いが短いからこそ、モロゾフのカスタードプリンを初めて食べたときの印象をしっかりつぶさに覚えています。それまで食べていたプリンとは全然違って、これがプリンだ、ザ・プリンなんだ、という概念が自分の中に生まれた瞬間でした。今でも、自分へのご褒美として買って帰ることがあるくらい好きですね」

かたや、物心ついた頃から、モロゾフのプリンの瓶もクッキーの缶も、家族の生活の一部として使われていたという松山さん。

松山さん
「店頭販売の経験から、モロゾフのプリンには、お客様との間にたくさんの思い出みたいなものがあるんだ、と知りました。カスタードプリンに対する私の思いは、そういったところからきています」(松山さん)

「でも、小学生のころ初めて、母から『本当はそれ、プリンが入ってるのよ』と知らされて。わざわざ百貨店まで見に行ったら、いつも使っているカップの中に、黄色いプリンが入っているんですよ。『ほんとだー、プリンが入ってる!』って、子ども心にめちゃくちゃ興奮したのを覚えています」

それぞれにユニークな、モロゾフプリンの原風景。松山さんも「プリンの味というと、モロゾフのカスタードプリンの味が真ん中でスタンダード、という意識がありますね」ときっぱり。

ガラス瓶の向こうに、愛あるつくり手ふたりの笑顔が透けて見えてきそうです。

モロゾフ

【神戸スイーツ ノオト/モロゾフ】 洋菓子のモロゾフは、1931(昭和6)年、神戸市内のトアロードのチョコレートショップとして創業しました。国内ではまだチョコレートが珍しい時代に、フィヨドル・ドミトリー・モロゾフ氏の技術を生かした高級チョコレートを製造、販売。贅沢なボックスに収められた宝石のように美しいチョコレートは、ギフトとしての高級スイーツという新しいスタイルを生み出します。さらに翌1932年、モロゾフは日本で初めて “バレンタインデーにチョコレートを贈る” 習慣を紹介しました。一方、厳選された素材のみで作られるカスタードプリンが誕生したのは1962(昭和37)年。当時の従業員が、直営カフェのオリジナルメニューとして陶器の器で1日数十個ずつ焼いたのが始まりでした。

モロゾフ

〈モロゾフ〉

カスタードプリン 税込357円

大丸神戸店 地1階 洋菓子売場

〈モロゾフ〉の一部の商品は
大丸松坂屋オンラインストアでもお買い求めいただけます。

※カスタードプリンは店頭での販売のみ、オンラインストアでのお取り扱いはございません。
 あしからずご了承くださいませ。

TOP

関連記事