地域と伝統産業について学ぼう ~淡路・日本の香りの世界を体験してみよう~
開校日:2024年7月27日
■内容
地域と伝統産業について学ぼう ~淡路・日本の香りの世界を体験してみよう~
■講師
神戸学院大学 経済学部 教授 関谷 次博 先生
兵庫県線香協同組合 谷口 太郎さん
(特別協力:兵庫県線香協同組合)
今回のワークショップは、夏休み特別企画として4日間開催するプログラムの第1回目にあたり、兵庫県の伝統産業や淡路島の伝統技術により育まれた線香について学び、「香り袋づくり」体験を通して、地域に根付く伝統産業について考えました。
前半は関谷教授が、伝統産業と線香について講義を行いました。
はじめに、夏休みの自由研究の取り組み方について、「好きなことをとことんやってみることが成績を伸ばす秘訣で、自由研究もその一つ。自由研究とは、自分の好きなものを研究することなので、ぜひ一生懸命に取り組んでほしい」と子どもたちに語りました。また、自由研究では、インターネットで調べることだけではなく、「やってみる」「つくってみる」「ふれてみる」を大切にして、記憶に残る研究に取り組んでほしいと伝えました。
続いて、兵庫県の伝統産業として、かまぼこ、しょうゆ、くつした、マッチを紹介した後、今回のワークショップのテーマである線香を取り上げ、淡路市が生産量日本一であることや、生産の中心地としての歴史がある淡路市江井地区について紹介しました。
また、線香には杉線香と匂(におい)線香の2種類あり、杉線香はお寺で香るような匂いであるのに対し、匂線香はタブノキの皮を原料とするため匂いが弱く、香料を用いてさまざまな匂いの線香を作っていると説明しました。線香の歴史についても説明し、現在はお寺やお仏壇などで使われるイメージが強いが、もともとはカバンやタンスに入れて、香りを楽しむものだったと紹介しました。
後半は、兵庫県線香協同組合の谷口太郎さんによるワークショップが行われました。
制作する匂い袋の材料で、天然植物の香料である「老山白檀(ろうざんびゃくだん)」「龍脳(りゅうのう)」「桂皮(けいひ)」「大茴香(だいういきょう)」「山奈(さんな)」「丁子(ちょうじ)」「ラベンダー」の7種類の特徴を説明し、参加者はそれぞれの香りを体験しました。
続いて、メインの「匂い袋づくり」がスタート。10cmほどの調合瓶に、半分弱ほどの高さまで好きな香料を入れて振り混ぜて、オリジナルの香料を作っていきます。谷口さんや関谷教授、学生スタッフたちが参加者のテーブルに着いて、調合に悩む参加者にアドバイスをしたり、香りの特徴について説明したり、会話をしながら一緒に制作に取り組みました。最後に好きな色の布袋に香料を詰めて、世界に一つだけの匂い袋を完成させました。
参加した子供たちや保護者からは、「お香の材料を見たり匂ったりできて、とても楽しかった」「匂いの感じ方も親と子どもで違い、親子で楽しく勉強できた」などの声が寄せられました。