ゆく夏を惜しみながら味わう、料理研究家 杉本節子さんのフレンチおばんざい第2弾
マッチングレシピ 〜思いがけない組み合わせで、簡単&おいしく。〜
築150年になる町家建築 杉本家住宅に生まれ育ち、フランス文学者だったお父様の影響でフランス料理を学んだのがきっかけとなって料理の道へと進んだ杉本節子さん。昨冬の鶏モモ肉の赤ワイン煮に続き、今回はゆく夏を惜しみながら味わうレシピをご紹介します。
杉本さんがフランス料理を習い始めた頃にお料理の先生から教わったというフランスの発酵バターや"とろ"のツナといった、上質な食材を奮発。京都の夏に欠かせない鱧をはじめ、京都らしい食材を取り入れたお料理は、お盆で帰ってくる人にも喜んでもらえそうです。しかも、見た目は華やかながら、その作り方は日々の食卓のおばんざい感覚の簡単&手軽さ。杉本さん流のフレンチおばんざいをぜひ楽しんでください。
~鱧の香草パン粉焼き 発酵バター風味~
鱧はあっさりと淡泊なので、洋風のアレンジにもよく合います。生の鱧ではなく、落とし(湯引き)を使えば、時短&失敗知らず。新鮮なハーブやにんにく、フランスの発酵バターを使って、香りもコクもリッチなご馳走に仕上げます。
<材料>(2人分)
鱧 湯引き:6切れ
エシレ バター:30g
ディル:2本
タイム:4~5本
卵:1個
パン粉:1/2カップ
にんにく:1片
塩、胡椒:少々
サラダ油:適宜
おくら、レモン、ピンクペッパーなど:適宜
<作り方>
1 鱧はキッチンペーパーで水気を取り、軽く塩と胡椒をふる。
2 ディル、タイム、にんにくをみじん切りにし、パン粉に混ぜる。
3 1に溶き卵をつけ、2をまぶしつける。
4 フライパンにサラダ油を熱し、エシレ バターをとかしたら、3をこんがりと揚げ焼きにする。
5 4を皿に盛り、塩茹でしたおくら、レモンを添え、ディルとタイム(分量外)、ピンクペッパーを散らす。
ふっくらと白い花が咲いたよう。鮮度のいい鱧を店内厨房で湯引きしているので、このまま"落とし"としても味わえます。
国産 鱧 湯引き(1パック)税込1,280円
■地階 鮮魚売場
※時期により、価格が変動します。
芳醇で軽い酸味をもつ発酵バター。フランス エシレ村で120年以上前から作られ、各国の一流シェフにも愛されている名品中の名品。
〈エシレ〉バター(有塩、50g)税込818円
■地階 グローサリー売場
すっきりした芳香をもち、魚と相性のいいハーブ2種。余ったらオイルやビネガーに漬けておくと、手軽に活用できます。
愛知産 ディル(1パック)、タイム(1パック)各税込216円
■地階 野菜売場
卵焼きだけに使うのはもったいない! 食材の量や形によっては、四角いほうが使いやすく、油も少量で済みます。フランス料理の名シェフ ピエール・ガニェール氏監修のシリーズ。ガス火もIHもOKです。
〈ティファール〉エクスペリエンス+ エッグロースター(15×20cm)税込7,700円
■4階 調理用品売場
~生湯葉&とろツナのさっぱりパテ お漬物の彩り~
火を使わずに混ぜるだけ。京都の生湯葉に、贅沢な"とろ"のツナ缶を合わせ、サワークリームの酸味を加えた夏向きの味わいです。ユニークな赤ワイン漬けのらっきょうで、心地いい食感&彩りをプラスします。
<材料>(2人分)
湯葉弥 くみあげ湯葉:80g
はごろも シーチキンとろ:1缶
中沢 サワークリーム:1パック(90ml)
川勝總本家 ワインらっきょう:2~3粒
塩:小さじ1/5
胡椒:適宜
バゲット:適宜
<作り方>
1 くみあげ湯葉とシーチキンとろをボウルに入れ、泡立て器でくずすように混ぜ、サワークリームを加える。
2 1にみじん切りしたワインらっきょうを加えて混ぜ合わせ、塩、胡椒で味をととのえたら、冷蔵庫で冷やす。
3 器に盛り、バゲットを添える。彩りにワインらっきょうや夏野菜の浅漬け(分量外)を飾っても。
1830年に創業以来、湯葉ひと筋。熟練職人の手で一枚ずつ湯葉膜を引きあげる、とろけるような食感と甘みの生湯葉。
〈湯葉弥〉くみあげ湯葉(5枚、ゆばつゆ付き)税込1,296円
■地階 日配品売場
これがツナ缶!?と驚く、肉厚でしっとりした柔らかさ。そのまま食べても、わさび醤油をつけても美味。
〈はごろも〉シーチキンとろ(75g)税込648円
■地階 グローサリー売場
酸味とコクのある、乳酸菌を加えた発酵クリーム。半世紀以上のロングセラーです。
〈中沢〉サワークリーム(90ml)税込322円
■地階 グローサリー売場
京漬物の名店が、国産らっきょうを低温熟成させてワイン漬に。季節限定の浅漬けも彩り美しく。
〈川勝總本家〉ワインらっきょう(110g )税込648円
半割浅瓜(半割)税込594円 かぼちゃの浅漬(1袋)税込648円
■地階 漬物売場
~香り&彩り鮮やか 賀茂なすのラタトゥイユ~
夏野菜たっぷり、南フランスの郷土料理 ラタトゥイユ。上品な燻香をもつオリーブオイルで、風味豊かに香り高く。肉質がしっかりとした賀茂なすは、煮くずれしにくく、美しい仕上がりです。
<材料>(2人分)
アルカン 冷燻オリーブオイル:50cc
アルカン ランスビネガー:大さじ1
賀茂なす:1個
ミニトマト:3個
玉ねぎ:1/2個
にんにく:2片
白ワイン:大さじ1
ローリエ:1枚
タイム:1枝
砂糖:大さじ1
塩:小さじ2/3
胡椒:適宜
枝豆、バジル:適宜
<作り方>
1 賀茂なすは食べやすい大きさに切る。ミニトマトはヘタを取って半分に、玉ねぎはくし切りにする。
2 深鍋にオリーブオイルを熱し、にんにくを軽く炒めてから、1を加えて炒める。
3 白ワイン、ローリエ、タイム、砂糖、塩、胡椒を加え、鍋にふたをする。途中で何度かかき混ぜながら、20~30分蒸し煮にする。
4 粗熱を取ってから、ビネガーを加えて、冷蔵庫で冷やす。
5 器に盛り、彩りに塩茹でした枝豆やバジルを飾る。
オイルの鮮度を保ったまま、低温の燻煙でゆっくりと香りづけ。上品な風味はマリネやカルパッチョ、和食にも合います。
〈アルカン〉冷燻オリーブオイル(250ml)税込3,024円
■地階 ターブル プリュス
シャンパーニュ地方のぶどうを使ったスパークリングワインから造られるビネガー。爽やか&まろやかな酸味です。
〈アルカン〉ペルシュロン ランスビネガー(250ml)税込756円
■地階 ターブル プリュス
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【料理研究家】杉本節子
京都市生まれ。公益財団法人奈良屋記念杉本家保存会常務理事、料理研究家、エッセイスト。生家は重要文化財『杉本家住宅』・名勝『杉本氏庭園』。フランス文学者の父の影響でフランス料理を学ぶ。食育活動、テレビ出演、食文化展示監修、国内外での講演、料理講師、大学非常勤・客員教授、メニュー開発・監修など幅広い分野で活躍中。京都府『あけぼの賞』、『京都和食文化賞』、京都市『和食ー京の食文化特別表彰』。京都府認定『きょうと食いく先生』。