暮らしのいい道具 〜プロが見立てた道具で、もっと暮らし上手に。〜

鬼おろしってご存じでしょうか。ギザギザ大きい歯をもつおろし器で、おいしい大根おろしができると評判！ ザクザクふわふわ甘くみずみずしくなり、いちど使えば、やみつきになりますよ、とフードコーディネーターの原敬子さん。これひとつあるだけで、みぞれ鍋やおろし和え、おろし蕎麦といったお料理が段違いのおいしさに♪
今回は鬼おろしをはじめ、原さんおすすめの和の調理道具をクローズアップ。先人たちが長い歳月をかけ、日本の風土や食生活の中で知恵や工夫を凝らして進化させてきた道具は、独特の形をもち、無駄のない機能美を備えています。本格和食向けと思われがちですが、原さんによるフレンチ風デザートのレシピもご紹介！

大根おろしが辛くならない！？ 粗い歯が並んだ鬼おろし

大きく粗い歯が、まるで鬼の歯のようだから、その名も鬼おろし。大根をおろすと、ザクザクふわふわした口当たりと、甘くみずみずしい味わいに。大根をそのままかじっても辛くないのに、おろすと辛くなるのは、細胞が壊れることでアリルイソチオシアネートという辛味成分が生成されるから。鬼おろしなら、砕くようにおろすので、細胞が壊れにくくて辛くならず、しかも、大根から出る水分が少なくて、食物繊維や風味も損なわれにくいのです。大根だけでなく、きゅうりや長芋をおろしても面白い新食感。玉ねぎをおろしてドレッシングに混ぜたり、じゃがいもや人参をおろして離乳食や介護食を調理したり、幅広く活用できます。強度がある竹製です。

〈日本橋木屋〉
鬼おろし 税込1,705円
■4階 調理用品売場

ごちそう作りの助っ人、シンプルで機能的な押し寿司型

型に具材を並べて、寿司飯を詰めて、軽く押すと、見映えの美しい押し寿司ができあがり。具材次第で食卓の華やかな主役になるので、これからの時期、ひな祭りやお花見などのお祝いやお招きに重宝します。木曽ひのきを使用しているので、軽くて乾きが早く、木目や色がきれいで、いい香り。シンプルだけど、よくできた構造で、まさに無駄のない機能美。使う前にサッと水にくぐらせると、食材のにおいや色がつきにくいですよ。サイズはさまざまあり、写真の中サイズは寿司飯1～1.5合に適しています。

〈日本橋木屋〉
押し寿司型（中）税込3,300円
■4階 調理用品売場

用途さまざま、さっと切って、さっと使える万能さらし

拭く、絞る、包む、敷く、磨く、淹れる、濾す、蒸す...、毎日の暮らしの中であれこれ使える晒（さらし）の布です。さらっとしてパリッとした、心地いい風合いの綿100%。織目が詰まっていて丈夫なので、繰り返し洗って使うことができ、エコ＆経済的です。原さんは野菜の水気を絞ったり、だしを濾したり、煮物の落とし蓋にしたり、お料理にさんざん使ったあとは台ふきんにし、さらにクタクタになったら小さく切って食器の油ぬぐいに使い...と、これでもか！と使い尽くすそう。昔は当たり前のように使われていたのに、時代の変化の中で存在感の薄れてしまった晒。さささの和晒シリーズは現代の暮らしに沿う使い勝手のよさ＆スタイリッシュさを備えています。ロール1本で7メートルもあるので長持ち。好きな長さにカットして使いたいならミシン目なしタイプを。手軽にカットできるのがよければ35cmごとにミシン目が入ったタイプを。あらかじめ35cm角にカットされたものもあります。

〈さささ〉
和晒ロールFree（ミシン目なし、幅36×長さ700cm）税込1,980円
和晒ロールCut（ミシン目あり、幅36×長さ700cm）税込2,420円
和晒ロールStand（専用スタンド）税込6,600円
和晒スクエアBox（35×35cm、8枚入り）税込1,430円
■4階 調理用品売場

和の調理道具で作る！～りんごのクレームダンジュ～

なんと、こんな使いみちも！ 和の調理道具を用いた、フレンチ風スイーツの作り方をご紹介します。クレームダンジュはフランス特産のチーズを使った、ふんわり泡雪のような口どけのデザートですが、今回はヨーグルトを使い、鬼おろしでザクザクとおろしたりんごをアクセントに。押し寿司型は底が抜ける構造を生かして、成型と同時に水切りにも利用するという、原さんのユニークなアイデアが光ります。

＜材料＞（押し寿司型（中）1台分）
（クレームダンジュ）
プレーンヨーグルト：200g
りんご：1/2個（130g前後）
砂糖：30g
レモン汁：適宜
生クリーム：80ml
卵白：Ｍサイズ1個分
砂糖：大さじ2
（りんごソース）
りんご果汁（クレームダンジュで絞ったもの、1/2個分）
コーンスターチ：小さじ1
水：大さじ2
レモン汁：適宜
砂糖：15g

＜作り方＞

• 1　りんごは鬼おろしで皮ごとすりおろし、レモン汁をかけて変色を止める。これを和晒で絞り、果汁は小鍋に入れる。
• 2　1の絞ったあとの果肉をボウルに入れ、ヨーグルトと砂糖30gを加えて混ぜる。
• 3　別のボウルに生クリームを入れ、氷水をあてながら八分立てにする。
• 4　3とは別のボウルで卵白を泡立てる。途中で砂糖大さじ2を加えてしっかりしたメレンゲを作る。
• 5　2に3を加えて混ぜ、4のメレンゲを2～3回に分けて全体を混ぜ合わせる。
• 6　押し寿司型をバットで受け、1で使った和晒を敷き、5を詰めて、和晒で折りたたむように和晒で包んで蓋をする。
  ※水分が出てかさが減るので、盛り上げるように詰めて、蓋は閉まらなくもOK。
• 7　冷蔵庫で水分を切りながらひと晩冷やし固める。
• 8　ソースを作る。1の果汁に色止めのレモン汁と砂糖を加えて火にかけ、軽く沸いたら水で溶いたコーンスターチを加えてとろみをつける。できあがったソースも冷やしておく
• 9　ひと晩置いて固まったクレームダンジュを器に盛り、ソースをかければ完成。

調理用品の選び方、賢いつきあい方もお任せください

和洋さまざまな調理道具や調理家電、キッチン雑貨などが並び、作る楽しみ、味わう楽しみが広がる4階 調理用品売場。今回、鬼おろしと寿司型を紹介した日本橋木屋では、ベテランのスタッフがスタンバイしているので、まるで駆け込み寺のようにあれこれ相談に来られる長年のお客様も。選び方や使い方、お手入れ方法などのご相談はもちろん、刃物研ぎなどのメンテナンスも承っています。

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