雲龍庵と希龍舎 細部に宿る漆藝の美
■11月1日(水)→7日(火)〈最終日は午後4時閉場〉
江戸時代の高度な漆工技術を探究し、新しい息吹を吹き込み、現代的な表現を展開する雲龍庵 北村辰夫氏。
緻密に重ねられた幾つもの技術をもってして生まれる作品は眩いほどの光彩を放ち続けています。
飽くなき探究心と細部にまでこだわり抜く高い志を持つ先生の作品が出来上がるまでには、長い時間がかかり、素材を見極め、描く理想の姿までいかにして仕上げていくか試行錯誤を重ねられると言います。
そうして完成した作品には物語を感じられるほど奥が深く、唯一無二の作品世界を作り上げています。
イギリスのヴィクトリア&アルバート美術館での展覧会をはじめ、メトロポリタン美術館やオーストラリア国立美術館といった海外の美術館でもコレクションされるなど 雲龍庵 北村辰夫氏の美意識と高い技術は国内外を通して高評を博しております。
また、後進育成にも注力されており、主宰する「希龍舎」に所属する作家は北村氏の指導のもと漆芸の未来を担う若手作家として切磋琢磨し、技を磨いています。
今展ではその希龍舎の作品も併せて展覧いたします。
世界を魅了する漆芸の超絶技巧をぜひご高覧賜りますようご案内申しあげます。
略歴:雲龍庵 北村辰夫
1952年石川県輪島市生まれ。
1973年より、輪島漆器業に従事し、その後、漆工の古典技術研究を行う。
1985年北村工房を設立し、翌年より印籠制作を始める。
在外漆工作品調査のため渡英するなど、海外でも活発に活動し、1993年~95年にかけて、ロンドン・パリ・シカゴ・ウィーンで「UNRYUAN・THE NEW GENERATION」を開催。
国内においても、1996年に京都・野村美術館で「伝統の中からの創造 雲龍庵作品展」を開催するなど、数多くの個展・グループ展を開催。
2002年にヴィクトリア・アンド・アルバート美術館(ロンドン・イギリス)にて「UNRYUAN・MASTER OF TRADITIONAL JAPANESE LACQUER」開催。
2006年NPO法人漆工研究会(SKK)を設立し、代表理事を務めているほか、2014~2015年「菊蒔絵貝桶一式」制作事業統括責任者を務めるなど、漆工美の復興と継承に尽力している。
主なパブリックコレクション:
メトロポリタン美術館(ニューヨーク・アメリカ合衆国)
ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(ロンドン・イギリス)
オーストラリア国立美術館(キャンベラ・オーストラリア)
東京国立博物館・高円宮コレクション(東京)、伊勢半本店 紅ミュージアム(東京)
野村美術館(京都)、京都清宗根付館(京都)、伊勢神宮(三重)
金沢21世紀美術館(金沢・石川)ほか多数