"ちょっとおもろい"を加えた
大阪人的かわいいお菓子。
〈焼喜菓子kokeka〉
杉本 紀美子さん
大阪生まれ、大阪育ち。隠れ家的雑貨&カフェで働く中で、カフェがしたい!と目標が生まれ、お菓子教室に通い技術を習得。
その後、チョコレート工場で働きながら、お菓子専門でやってみようと、自宅の1階を工房に改装。
〈焼喜菓子kokeka〉としてイベント出店や商業施設でのポップアップ販売を行う。
思い立ったらすぐ行動!
雑貨屋さんからお菓子作りへ
25年ほど前のこと。当時アジアン雑貨に興味があり、雑貨屋さんをやりたいなぁ。と考えていた杉本さん。雑誌で見つけた"隠れ家的雑貨カフェ"にピンと来て飛び込みで「働かせてほしい」とお願いしました。勢いと熱意が伝わったのか、無事そのお店で働けるように。
古民家を改装した店舗の1階にはオーナーがセレクトしたかわいい雑貨やオリジナル商品が所狭しと並び、2階はカフェスペースに。
長く働くうちに、海外へ仕入れに行くオーナーに同行したり、カフェで提供するケーキやお菓子作りを担当したり。
いろんなことを学ばせてもらいました、と杉本さん。
擬人化したパンダが、
気づけばトレードマークに。
雑貨カフェ店内のポップやメニュー看板なども杉本さんの仕事でした。イラストを描くのが好きだったこと、パンダグッズやパンダのイラストが好きだったことが重なり、店内の看板に擬人化したパンダを自由に描いていたそう。杉本さんが作っていたオリジナルのフィナンシェもパンダの顔型。ところが、この頃の杉本さんは「パンダを見たことがなかった」とか!40歳を目前に、そろそろ自分のお店を持ちたい。との思いが生まれ、節目の年に退職を決意。お菓子教室に通いはじめました。トレードマークは、長年描き続けたパンダ。
もちろん白浜へパンダに会いに行きました。今では毎年通うほど、さらにパンダにはまっているのだそう。
ピンチをチャンスに!
無店舗という選択を。
カフェができる物件がなかなか見つからず。雑誌で見つけた「自宅で工房」の記事を見て、ピンときました。さっそく家族に相談。1階を工房に改装し、営業許可も取りました。お菓子教室などで同業者の知り合いも増え、相談にのってもらうちに「無店舗でのお菓子専門販売」という道が定まってきました。初めての出店は、京都百万遍さんの手作り市。8月の暑い中、午後にはゲリラ豪雨に合うという洗礼付き!しかし持参した商品は午前中に完売、外って大変と実感しつつも出店の楽しさを知りました。その後、コロナ禍でイベントが難しくなった頃、商業施設への出店依頼を受けることに。1日限定の出店から、商業施設では最低3日、長いと1週間ということも。何より大変だったのは準備する量。はじめの頃は3日間の出店なのに1日でお菓子が完売、ということもあったそう。その後、スケジュール管理やお菓子の作り方、売り方などを試行錯誤。そして、バッグ・小物を製造販売する相棒と出会うことで、販売場所も着々と広がっていきました。
自分ひとりで完結できる仕事を目指す。
杉本さんのモットーは、「自分ひとりでできる範囲でしか仕事を受けない」。〈kokeka〉のお菓子は動物型がほとんど。顔の表情や、ラッピングの方法など、杉本さんなりのこだわりがいっぱい。それを人に伝え、作ってもらうことのストレスを考えた結果"ひとりで"作ろうと決めたそう。目の届く範囲での仕事だから、やりたいことにもグッと集中できる。全責任は自分で。潔い杉本さんの想いがお菓子の中に詰まっています。そんな杉本さんは、必ず"ちょっとおもろい"要素をプラスします。人っぽい表情、ツッコミを入れるような仕草など。なんかおもろい、クスッと笑ってしまう、そんな反応をしてもらうのがうれしいのだとか。「大阪人なんで」という杉本さん。お店の名前「コケカ」は、「バナナ」や「テレビ」のように真ん中の文字をあげる大阪弁で読むのが正しい。ただ、そう発音するのはご本人だけ、という噂。
どこかポップアップで出店中の〈kokeka〉を見つけたら、杉本さんにお店の名前を伝えてみてください。
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かわいくて、クスッと笑いもある〈焼喜菓子kokeka〉。文字通り、買った人に"喜び"を届けてくれる焼き菓子です。