珈琲と向き合い30余年。
流行に流されない焙煎士。
〈平成珈琲(自家焙煎工房 Origin)〉
焙煎士 宮田 倫好 さん

大手コーヒーメーカーで30年。珈琲豆の品質管理や運営などを任されていた宮田さん。
海外へ珈琲豆の産地を訪ねたり、商品開発の際には焙煎も行ったり、と珈琲豆に関わり続けた。
引退を考えた頃、海外の催事で意気投合した現社長とともに〈平成珈琲〉と「焙煎工房」を立ちあげる。
五感をフル稼働。
豆と向き合い、ロースト。
JR神戸駅から地下鉄でひと駅。中央市場のすぐ近く、兵庫運河に囲まれた少しレトロな雰囲気が漂う静かな街。古くから貿易の拠点として栄えた兵庫津エリアに、スッとそびえるクリーム色のビル。地元の美術科の生徒たちが描いたイラストが出迎えてくれるここが〈自家焙煎工房 Origin〉です。海風にのり、ふわり届く珈琲の香りに誘われ入り口をくぐれば、どーんと存在感のある焙煎機。「いま、今年初めてのアイス用の珈琲豆を焙煎しています」と焙煎士の宮田さん。ぐんぐん上がる焙煎の温度が200度を超える。その前で耳を澄ませ、豆の音に集中。パチッパチッと音がしてくる。これが1ハゼ。しばらくするとバチバチと細かく早く音が聞こえる。これが2ハゼ。途中、何度か豆の色を確認しながらタイミングを見極め、ザーッと煙とともに流れ出る黒く艶やかな珈琲豆。あとは下からエアを送りながら撹拌し、素早く冷やしていく。
原料が7:技術が3。
品質ありきで、きまるおいしさ。
焙煎する前の豆は、ほんのり緑色をしている。少し時間が経つと緑色が薄くなる。これは生豆から水分が抜けるから。この微妙な差を見極め、その日の気温や湿度、気圧なども考え、エアの圧や焙煎時間を調整する。最近ではプログラムで自動化された焙煎機が多い中、宮田さんはこれまで培ってきた経験と技を駆使する手動の焙煎にこだわる。「豆の種類、ブレンドのパーセンテージ、焙煎機、人。組み合わせが変われば、味も変わる。これが焙煎の面白いところ」と宮田さん。気温が高くなってくると飲む人の舌の感覚も違うそう。それらさまざまな要素を見越し、"ブレない調整"をする。それが宮田さんの技だ。「珈琲の焙煎は、原料が7、技が3。どれだけいい豆を仕入れるかが全てですよ」とさらりと言い切る宮田さん。その"いい豆"の目利きも、これまでの経験があってこそだ。
ふくらみが違う!
ほかの珈琲に戻れない!
〈自家焙煎工房 Origin〉は、日曜・祝日と第3・第5土曜日が休み。お昼1時間の休憩時間はお店を閉める。普段働く人にはハードルの高いお店の形態だ。「神戸から少し離れているので、休みの日は人通りが少なくて」とオープン時にリサーチした結果だという宮田さん。近くで働く人がランチ後に訪れたり、近所に住む人がテレワーク中のお供にと豆の購入にやってきたり。宮田さんがSNSで告知する焙煎情報を見て、お客さんが来てくれるのだそう。コロナ禍の中、たまたまお店を見つけて以来のファンという常連さんは、「もうほかの珈琲が飲めない」と言う。コーヒーメーカーを使うのがもったいない、と自宅で手間をかけハンドドリップで大切に飲むのだそう。「Originの珈琲は、ふくらみ方が違います」と常連さん。それは、焙煎後1週間しか売らない、という宮田さんのこだわり所以。何よりも大事なのは、焙煎してからの鮮度だから。おいしい珈琲を届けたい宮田さんの想いに、珈琲好きが集まり珈琲談議に花を咲かせる。
日本の文化を守る気持ちで
ブレンド珈琲をこれからも。
喫茶店から"カフェ"へと変わり、浅めの焙煎でするすると飲みやすいコーヒーが中心になってきた。スペシャリティコーヒーが人気となり、希少な豆を求める人も増えた。そんな流行を知りながらも、宮田さんは純喫茶と呼ばれた時代の「ブレンド珈琲」にこだわり、未来へ残したいと言います。工房の2階にあるカフェスペースには、選りすぐりの上質な原料を使い焙煎した、鮮度のいい珈琲豆が常時10種ほど並び、ハンドドリップで淹れてもらえる。どの珈琲も驚くほどリーズナブルな価格。それは「いいものを飲みやすい価格で提供することで、少しでも多くの人に珈琲を楽しんでほしい」という想いの表れ。そんな焙煎士が作る自慢の珈琲が、初めて百貨店のオンラインストアに登場。流行に左右されない自慢のブレンド珈琲を届ける〈自家焙煎工房 Origin〉をこの機会にお試しください。
大丸松坂屋オンラインストアで数量限定販売!
宮田さんも毎日愛飲する看板商品「焙煎士ブレンド」や工房のある地名を冠する「船大工町ブレンド」など
鮮度を閉じ込めたドリップバッグのセットや、夏にうれしいアイスコーヒーをご用意。父の日のギフトにおすすめです。
