22歳の時に来日し、日本語学校へ入学。充実した毎日を過ごす中、日本で起業したい！と考える。
スウェーデンへ帰国した際に見つけた、プロテインアイスクリームに“ピンッ！”とくる。
待てど暮らせど日本に現れないため、自ら作ろうと決意。会社名は、お母さんの名字。大阪弁ペラペラのトルコ系スウェーデン人。

トルコ人の両親のもと、スウェーデンで生まれ育ったブラックさん。親戚のおじさんや留学経験を持つ高校の同級生から日本の本をもらったり、話を聞いたりするうちに、日本の文化や歴史、言葉などに興味を持ち始めました。そして2015年、ついに日本へ！東京・京都・大阪の3地区から日本語学校を選ぶ際に、東京はスウェーデンの2倍の人口で人が多すぎる！京都は静かすぎる、大阪が楽しそう！パーティーがしたい！！と大阪の学校に決めました。そして大阪色に染まっていきます。

日本語がまったく話せない状態で留学生活がスタート。持ち前の明るさで、学校にも、大阪にも馴染んでいきました。学校では、毎週金曜日のテストに向けてしっかり勉強、そして週末は学校の友達と一緒に戎橋界隈へ。友達もどんどん増え、日本の生活を満喫。途中、語学の先生やファストフード店でのバイトを経験するものの、人から指示される働き方が苦手なことに気がつきました。1年のつもりの学校生活を2年に延長、大阪での生活も板についてきました。このまま日本で、大好きな大阪で、起業してみよう！と考え始めます。

中国から商品を仕入れ、販売してみよう。思い立ったらすぐ動くブラックさん。なけなしのお金をはたいてプロテインシェーカーを購入。
ところが、仕入れの際にトラブル発生！「Help me～～」必死のパッチで掛け合いました。
なんとか起業家としてスタートを切ったブラックさん。勉強と経験を重ねに重ねた結果、大手オンラインサイトに詳しくなりました。
この経験をいかし、外国人を対象にコンサル業もはじめました。

2019年、スウェーデンへ一時帰国した際にプロテイン商品がたくさん並んでいるのを見て、日本にはまだまだ少ないことに気がつきました。もともとアイスクリームが大好きなブラックさん。きっとこれから日本でもプロテインアイスが販売されるはず！そう信じていました。大阪へ帰り、3年待ってみたものの販売される気配を感じず、「えいや！」と自分で作ることに。しかし、アイスが何でできているのか知りません。インターネットを駆使し、ジェラートの専門家を見つけレシピを教えてもらいました。その後、家庭用アイスクリーム製造機を使い試作する日々が始まります。友達を呼んでは試食してもらう毎日。こうしてできたアイスが、「高タンパク質＆低カロリー＆低脂質」プロテインジェラートです。

100均のカップにアイスを入れ営業に行ったり、販売価格を聞かれても答えられなかったり、ゼロからのスタート。とにかく動いて学ぶブラックさん。昨年出展した展示会では、テストキッチンを利用し商品化に向けたサンプルを作り、大成功をおさめます。そして、2024年3月。ついに大阪で小さなデリバリー用クラウドキッチンを拠点に製造をスタート。3か月後、ダイエット動画クリエイターが配信したSNSで注文が殺到！睡眠時間を削っての製造に疲れ果てながらも、成功への道が見えてきました。18～22歳の頃スウェーデンでは何もできなかった自分が、日本語を学ぶところから始め、起業し、作ったアイスをたくさんの人に食べてもらえるようになるまで、日本で出会った100人以上もの人とのつながりのおかげ。とブラックさん。友達とたくさん楽しいことをしたいから。この目標に向かって、いまを突き進んでいます。

ブランド名〈Pocotein〉の“Poco”は、ブラックさんが出会った保護犬の名前。健康を意識した「高タンパク質・低カロリー・低脂質」のアイスで食べる人の健康を願うとともに、Pocoちゃんのような保護犬のために役立つ活動をしていけたら。という夢も込めています。
やさしくて、おいしいプロテインジェラートをこの機会にどうぞ。