2015年4月27日。ゴールデンウィークを控えた月曜日に、和歌山県では先駆けとなる「チョコレート専門店」をオープン。和歌山県が誇る“特産品”と“チョコレート”を組み合わせた「和歌山チョコレート」を創作。特定非営利活動法人 ジョイ・コムが手がける。

大理石の上でチョコレートを混ぜ合わせる「テンパリング」や、柑橘類を砂糖で煮詰める「キャンディング」、一粒一粒ガナッシュをチョコレートで覆う「トランペ」など。店内へ入ると、丁寧な作業風景が目に飛び込んできます。ここは、JR和歌山駅からバスに乗って15分ほど。
静かな住宅街の中に店舗を構える〈toco*towa〉は、和歌山県内では先駆けのチョコレート専門店です。「和歌山県」で作るオリジナルチョコレートをと、和歌山の名産品やこだわり食材を使ったユニークなボンボンショコラがそろいます。クーベルチュールチョコレートを使いながら、ひとつひとつ手づくりしていることもお店の魅力です。

店名の〈toco*towa〉には、「日常の小さな幸せが、永遠に続くように」という想いが込められています。NPO法人 ジョイ・コムが運営する障がい福祉サービス事業のひとつで、支援学校の学生たちの“飲食店で働きたい”という夢を叶えたい、とのオーナーの考えから誕生しました。当時はやりのベーグル専門店？それともドーナツショップ？と模索する頃、経営者が集まるとあるパーティーでチョコレートファウンテンを囲むおじさんたちの楽しそうな顔を見たオーナーが「これだ！」とチョコレート専門店に決まったそう。日本の伝統的な和菓子のように、和歌山の伝統ある素材をいかした和歌山のチョコレートを、と方向性が決まりました。素材のよさをいかしたチョコレートづくりの始まりです。

実は誰もチョコレートを作ったことがない、というところから始まった〈toco*towa〉。幅広く活躍するショコラティエに出会い、チョコレートの仕入れなどアドバイスはもらうものの、実際の製造に関しては自分たちでひたすら勉強。料理スタジオを借りては試作を繰り返しました。形になるまで約2年かかったそう。最初に取り組んだのは、和歌山を代表する「湯浅の醤油」と、生産量日本一を誇る有田川町の「ぶどう山椒」。クセの強い素材ながらもチョコレートに合わせると負けてしまう。素材の味もチョコレートもどちらも感じられる、ちょうどいいバランスを目指す日々。そこから10年。素材にこだわった「和歌山チョコレート」は25種を超えます。ほかにもチョコレート専門店ならではの割れチョコや焼き菓子などバリエーション豊富です。

〈toco*towa〉では、「仕事の場を提供する」という役割を担っています。そのため、作業のほとんどが「人の手」によるもの。一般的には機械化されるようなところも、一人ひとりの個性や特性に合わせて役割分担することで、その力を発揮し丁寧な手作業を積み重ねて製造しています。和歌山でたくさん栽培されている柑橘類を使ったオランジェも、カットし、砂糖で炊いて、乾かして、チョコレートをディップする、とすべて手作業から生まれます。フランスのショコラティエが和歌山の山椒を使ったと話題になり、最近さまざまなスイーツに山椒を取り入れられているのを見かけるようになりましたが、「うちの方が先やね！」と、みんな自慢に思っているそうです。そして山椒だけでなく、醤油やわさびなど和歌山の素材を開店当初からチョコレートに仕上げてきましたが、和歌山の素材が和(日本)のもの”を使ったチョコレートとして外国の方たちが注目しているようで、最近海外から声がかかることも出てきたそう。そんな和歌山のチョコレートが、大丸梅田店に初登場です！

蓋を開ければ、そこは和歌山！「湯浅の醤油」や和歌山発祥「真妻わさび」、希少な「じゃばら」、大人の味わい「梅焼酎」など、
名産品を使ったチョコレートを中心に詰め合わせました。