お助け道具で無理なく無駄なく楽しく♪ かき揚げにこめた、原敬子流の料理哲学!?
暮らしのいい道具 〜プロが見立てた道具で、もっと暮らし上手に。〜
日頃から丁寧に暮らすことを心がけているというフードコーディネーターの原敬子さん。手抜きはしたくないけれど、賢く手間を省いたり、道具をうまく活用したり、無理なく楽しくがいちばんです。
そこで、今回は"かき揚げ"を手間なく上手に作れるお助け道具をご紹介します。油ハネが気になったり、油の処理が面倒だったり、家ではなかなか揚げものをしない人も多いはず。中でもかき揚げは、材料の千切りが面倒だし、揚げるときにバラけて難しいし、かなりハードルが高いですが、あえて挑戦! 揚げたてアツアツが家で食べられる幸せには代えられないので、道具を利用してハードルをぐぐーっと下げて楽しく作りましょう♪
クルクル回せば、野菜がスルスルと細長いベジヌードルに
かき揚げ作りの第一関門、野菜の千切りは、ベジヌードル用の野菜カッターが手助け! ベジヌードルとは文字どおり野菜を細長くヌードル状に切ったもので、近年ヘルシー志向の人たちに人気。ズッキーニや人参、きゅうり、大根など野菜の種類はさまざま、パスタ代わりにしたり、サラダやマリネにしたり、料理法もさまざまです。この野菜カッターは荒目・細目・すりおろしの3種のブレード(刃)が付いていて、太さの異なるベジヌードルが簡単に作れます。
操作はいたってシンプル。カップにブレードを付け、野菜をのせて、蓋をかぶせて、蓋の上部分をクルクルと軽く圧をかけながら回すだけ。てこの原理を応用しているので、硬い野菜でも軽い力でスルスルと、あっという間に細長くらせん状にカットできて、楽しくラクちん♪ この気持ちよさは体験する価値ありですよ。おろし金のように、うっかり刃で手を切る心配がなく、カットされた野菜がそのままカップにたまって散らからないのもグッド。使用後はすべてのパーツをコンパクトに収納できて、一見おしゃれなタンブラーのよう。
ジョセフジョセフは双子のジョセフ兄弟による、イギリス生まれのキッチン&ホーム雑貨ブランド。遊び心のある美しいデザインと機能をもち、細部まで気配りのある使いやすさが魅力です。
〈ジョセフジョセフ〉
スパイロ 野菜ヌードルカッター 税込2,200円
■4階 調理用品売場
ズッキーニのベジヌードルは海外で"ズードル(zoodles)"と呼ばれ、ヴィーガンやグルテンフリー派の人たちに人気だそうです。写真の料理はオリーブオイルに鷹の爪、にんにくを入れ、ズードルとエリンギを炒めたアーリオ・オーリオ。シャキッとした食感&さっぱり感がクセになりそう。人参のベジヌードルは、以前ご紹介したローリングストックを生かした料理 キャロットラペに使ってもよさそうですね。もう一品、原さんのおすすめはハッシュポテト。じゃがいもを皮付きのまま、すりおろしブレードで細かくカットし、そのままカップの中に塩と片栗粉を加えて混ぜ、多めの油を熱したフライパンで焼きます。忙しい朝でもパパッと作れますよ。
バラけず見映えよく♪ これぞ、かき揚げ上手の秘策!?
かき揚げを揚げるときにバラバラになったり、それを食い止めようとつい衣をたくさんつけすぎたり。そんな最難関の悩みを解決してくれるのが、ステンレス製のかき揚げリング! 揚げ油にリングを入れ、中にタネを落とせば、揚げているうちに広がることなく、きれいに丸く整った厚みのあるかき揚げに。最小限の衣で済むので、揚げ時間が短く、カロリーが抑えられるのも嬉しいところです。
家事問屋は新潟・燕三条生まれの金物道具ブランド。燕三条といえば、ホーローのコーヒードリッパーでも紹介したように、古くから世界有数の金属加工産地です。産地の優れた技術や作り手の想いを使い手に伝えたいと、"ひと手間"を助ける実用的な道具の数々を作っています。
〈家事問屋〉
かき揚げリング 税込1,430円
■4階 調理用品売場
かき揚げリングを活用し、切って乾かしたお餅を揚げてカレー粉をまぶして、サクサク軽い揚げおかきに。青のりや粉チーズをまぶしてもおいしく、止まらなくなりますよ♪ そして、道具好きの原さんとしてはつい他の使いみちを模索してのもう一品。セルクル型や抜き型の代わりにも使えそうと、かき揚げリングで食パンを丸くくり抜いて海老を挟んで揚げちゃいました。セルクル型といえば、以前、お皿の上のアートをテーマに紹介したレシピ おさかなタルタルにも、これが使えそうです。
揚げたあとの油をろ過して保存するホーローポット
揚げ油を一度使っただけで捨てるなんてもったいない! 活性炭入りのカートリッジで色や臭いを吸着させるポットです。ホーロー製のポットに、ステンレス製のこし網・ろ過器とカートリッジ1個が付いています。
調理後、油を10~20分ほど置いて120~150℃ぐらいに冷まして注ぎます。ろ過器の容量が800mlと大きいので、複数回に分けて注ぎ入れる必要がなく、あとは放置しておくだけで、油はゆっくり活性炭入りカートリッジを通って容器下部に沈殿していき、手間いらず。唐揚げやフライなど油が汚れやすい料理に使ったときは、こし網の上にキッチンペーパーを置いて濾すとカートリッジが長持ちしますよ。
ホーローとは金属を下地にし、表面にガラス質の釉薬(ゆうやく)をかけて焼きつけたもの。熱に強く、臭いがつきにくく、油の質や風味の変化を防ぎながら保存できます。見た目がシンプルで美しいので、キッチンに置きっぱなしにしても気になりません。揚げて濾して、炒めものに使って、また揚げものをするときには注ぎ足して...と油を有効活用。無駄が減り、何より処理のストレスが減って助かります!
〈野田琺瑯〉
琺瑯オイルポット ロカポ 税込6,600円
■4階 調理用品売場
便利な道具で手軽に♪~冷蔵庫の残りものでかき揚げ~
かき揚げは中途半端に残った野菜も無駄なく生かせるし、いろんな食材が取れて彩りもきれいなので、原さんちの食卓に頻繁に登場するひとつ。ありあわせでOKですが、さつまいもを入れるとカリカリほくほくに仕上がるので、おすすめです。ちりめんじゃこや桜海老を加えてもおいしいですよ。
<材料>
さつまいも、ごぼう、人参、ズッキーニ、ブロッコリーの芯など:適宜
天ぷら粉:適宜
<作り方>
- 1 野菜類はすべて野菜ヌードルカッターで細長く切り、ボウルに入れ、少々の天ぷら粉でまぶす。
- 2 適量の水で溶いた天ぷら粉を1に加えて和える。全体に絡むくらいの最小量でOK。
- 3 適温の揚げ油に、かき揚げリングを入れて、2のタネを入れる。しばらく様子を見て、全体がくっついてきたらリングから外す(リングを早く外すとバラけてしまうので注意)。ひっくり返して裏面も色よく揚がれば、できあがり。
- 4 調理後、揚げ油は琺瑯オイルポット ロカポでろ過して保存すれば、繰り返しの使用が可能。
毎日の暮らしを楽しむヒントがここに
今回ご紹介したお助け道具をはじめ、和洋さまざまな調理道具や調理家電、キッチン雑貨などが並び、作る楽しみ、味わう楽しみが広がる4階 調理用品売場。原さんもちょくちょくのぞきに来て、あれこれ探すのを楽しみにしているそうです。
今までさまざまな料理レシピや道具を紹介してくれた原さん(記事中の下線のある言葉をクリックすると過去の記事にリンクしているので、そちらやこちらからもぜひご一読ください)。今回のかき揚げには、冷蔵庫の残りものも揚げ油も余さず生かし、便利なものを賢く生かしながら、手間を省いて、おいしく味わうという、食材にも道具にも作る人にも食べる人にも愛があふれた、原さん流の哲学があります。
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【フードコーディネーター】原 敬子
京都在住。フードコーディネーターとして書籍・雑誌、CMの料理スタイリング、各種出版物の企画・スタイリングを手がける日々をおくる。伝統の良さを学び、丁寧に暮らすことをテーマに和の世界を邁進中。