Professional's Eyes
スタイルのある暮らし
大阪の第一線で活躍する方々と一緒に、生活を豊かにする視点、もの選びのコツに迫ります。館内の注目アイテム、心斎橋のお気に入りスポットをご紹介。心地よい暮らし、大阪のシビックプライドを求めて。
ARCHIVES大阪のラジオ局・FM COCOLOで、月曜から木曜まで『AFTERNOON DELIGHT』を担当するDJのMEMEさん。ウィークデーは、オンエアでスタジオにいることが多いですが、週末はショッピングに出かけ、好きな服や小物を買うこともしばしば。心斎橋に来ると立ち寄ることが多い大丸心斎橋店で、大人が身につけてうれしいアイテムを探してもらいました。
「うわー素敵。もう秋冬物が並んでいますね。私、秋からのイベントのMCが多いのですが、フェルト系のハットとブーツを合わせたコーディネートが好きでよくしています。帽子をかぶるとちょっと非日常感が出ていいですよね」
本館6階の「Borsalino(ボルサリーノ)」を訪れたMEMEさん、パープルが美しい壁に素敵なハットが並ぶ空間に、早速魅了されたようです。「ボルサリーノ」の直営店は、関西だとここのみ、全国でも東京に1店舗、博多に1店舗の3店舗しかない貴重なショップ。その中でも大丸心斎橋店の店舗面積が一番広く、ほとんどのラインが揃っています。
早速、目に留まったペーパーハット(27,500円 ※以下すべて税込価格)を試着するMEMEさん。
「自分で持っているのは、つばのある帽子が多く、ベージュピンクなどのベージュ系が多いです」とMEMEさん。まずはお好みのシックな色合いの帽子を選び、大人の雰囲気を楽しんでいるようです。
「ペーパーハットは、折りたたむこともできるので、持ち運びの際にも便利です。48時間までは型崩れしないので、ご旅行の時などにとてもいいと思います」とスタッフの戸島久遠さん。
「ボルサリーノ」では、ファーフェルトハットとパナマハットがオーダーメイドできます。ファーフェルトは、定番のラビット、ビーバー、セルベルト、グアナコの素材から選び、リボンや裏地の色みが選べます。
ニュージーランドの赤鹿から取れるという高級素材、セルベルトを触ったMEMEさん。「毛並みがいいから、手触りがよくてやわらかい。こんな素材を使って自分だけのオリジナルをつくれるのはいいなあ」
「ボルサリーノ」では、定番に加えて2020年の新作として、デニム素材のハットやキャップも発売されました。
「デニム素材の帽子は、ご夫婦でペアで買っていかれる方もいます。キャップなどは、若い方にもかぶっていただきたいですね」と戸島さん。また、8月からはマスクの販売も開始。ハットのリボンやスカーフのデザインを活かしたものなど、ボルサリーノならではのマスクが揃っています。
帽子が大好きで、20種類ぐらいは所有しているというMEMEさん。気になるものがたくさんあるのか、あちこち目移りさせながら、名残惜しそうに店を後にしました。
※2024年5月をもって閉店いたしました。
「デザインがすごくシャープで、飽きが来ないデザイン。スタッフさんが素敵で丁寧にいろいろ教えてくれるのがいいですね」
MEMEさんがすっかりお気に入りなのは、レザーアイテムを揃える本館6階の「MAISON TAKUYA(メゾンタクヤ)」。創業者兼デザイナーのフランソワ・ルッソ氏は、生粋のフランス人でありながら、大の日本好きということで、“匠”、“卓越”などの意味合いを込めてブランド名にしています。
2008年にスタートしたブランドが注目されるきっかけにもなった、スマートフォンのケースをはじめ、革小物やバッグは、シンプルでいて、ありそうでないデザイン、絶妙な大人のカラーリングでコアなファンを増やしてきました。
「昨年のリニューアルオープンのときには、限定バッグがすごい人気だったんですよね?」とMEMEさん。オープン記念で売り出した限定色のミニブリーフが、たった1日で売り切れたそうです。
「メゾンタクヤ」では、素材や色を自分の好みにカスタムできるオーダーサービスがあるのもうれしいポイント。さて、MEMEさんが選ぶとしたら何色?
「私は、ダークなパープルとかかなあ…ディープ・パープル!(笑)。中を自分の好きな色にできるのは、愛着がわきますよね。形もかわいいし、ケータイや長財布も入ってちょうどいいサイズ。今年もあっという間にソールドアウトしそうですね」。
トートバッグもMEMEさんはお気に召したようで、「長く持てるということが大人の上質スタイルの一つの条件なのかなと思っていて。このトートバッグは、そういう感じがします。少し丸みを帯びてやわらかい雰囲気があり、マチがあるから便利。バックルがあるのもいいですね」
「メゾンタクヤ」の革製品で使われているのは、カーフのシボ革がメインです。これは、手馴染みがよくシワになりにくいのが特徴。光沢というよりはマットな質感がアイテムに落ち着きをもたらせています。同じ青でも素材の違いによるグラデーションを楽しんだり、シックな色にオレンジなどのヴィヴィッドな差し色を入れたり、少し遊び心も効いたカラーリングも「メゾンタクヤ」の魅力ですね。
続いて訪れたのは、本館4階にある「DENHAM(デンハム)」。全国で展開するブランドですが、ここは関西エリア最大のショップです。
「レディスは関西でここにしか置いてないということで、オープンした時に話題になりましたね」とMEMEさん。
「デンハム」はオランダで生まれたデニムブランドですが、日本とのゆかりも深く、創立者のデニム職人、ジェイソン・デンハム氏が日本文化を尊重していて、日本製のデニムも数多く並びます。また、店内には日本酒の一升瓶もディスプレイされています。
ふだんスタジオに行くときなどは、デニムを履くことが多いというMEMEさん。
「今日はがんばってドレスアップしてきましたけど(笑)。持ってるデニムのスタイルは、最近はワイドなタイプも多いですけど、体にぴったりしたタイトなものも結構ありますよ」。
大丸心斎橋店の「デンハム」は、関西のショップでは唯一の工房併設型で、洗い場もついています。ここではどのようにジーンズが洗われるのか? 早速、店長の東弘樹さんに実践してもらいました。
「ノンウォッシュのデニムは、履きこんでいくうちに、アタリやハチノスなどが出ていい味になるのですが、手洗いすることで余計な色を落とさずに綺麗なヴィンテージ感を作ることができます」と東さん。「デンハム」のデニムなら無料で洗ってもらえるので、お店に持ち込むお客さんも多いそうです。
「デニムを洗うというとタワシでゴシゴシこするというイメージがあるんですが、なでるんですね。ウォッシングをプロに頼めるのはいいなあ」とMEMEさん。
店内を一通り見て回ったMEMEさん、気になったアイテムを試着することになりました。ふだんは濃いめの落ち着いた色合いのデニムを履くことが多いというMEMEさん。目に留まったのは、それに合いそうな黒のジェシーシャツのようです。
シャツとのコーディネートとして東店長が薦めてくれたデニムが、リズアンクルというスキニーよりも少しゆとりのあるスタイル。丈感が短く裾にスリットが入っていて、足元がスッキリするのが特徴です。
「大人な女性の方が大丸心斎橋店には多いので、シャツにデニムを合わせるスタイルをもっと提案していきたいです」と東店長。MEMEさんのコーディネートもとてもお似合いでした。
次の店に移動する前に、本館4階のフロア北西にある休憩所に。大丸心斎橋本館は、各階のほとんどに休憩所があり、ショッピングの合間にホッと一息つけるのがうれしい。このフロアにはCDがディスプレイされています。いつもCDといっしょに仕事をされているMEMEさん、ラジオ番組は3時間の長丁場ですけど、休憩はあるのですか?
「曲をかけている間も、メッセージを読んだり次の曲の紹介を考えたりするので、基本ずっと集中力と瞬発力が求められます。だから木曜日になると、もう首と肩がカチカチ。開放感からか、ついお酒の量も増えますね(笑)」
休憩所の窓から外を見ながら、「御堂筋がすごく好きなんですよ。車を走らせていて、うまくいけばキタからミナミまで信号で止まらずに走れるのが気持ちいい。銀杏並木もきれいですよね」
ブレイクタイムのあとは、MEMEさんがぜひ行きたかったという本館4階の「lululemon(ルルレモン)」へ。カナダのバンクーバーで生まれたブランドで、ヨガを始め、ランニングやエクササイズをするときに着てほしいウエアを揃えるショップです。
「アメリカに友達が何人かいるんですけど、彼女たちが『ルルレモン』のウエアをこぞって買ってるんですよ。ヨガをするときはもちろん、そのままウエアを着て帰ったり、ふだん着としてもとても心地いいって」
ご自身もホットヨガを20年間続けているというMEMEさん。現在は新型コロナウイルスの影響でスタジオには通えないので、自宅で、毎朝起きてすぐ10分〜15分カラダを動かすそう。
「ヨガをすることで、体が開くんですよね」。
「ホットヨガだと速乾性の高いウエアがオススメ。汗でびしょびしょになっても15分ぐらいで乾きますよ。Everlux素材という『ルルレモン』が特許をとっている生地を使っています」とスタッフのまどかさん。
スタジオでホットヨガをしているときは、1kgほど体重が減るぐらい汗だくになるというMEMEさん。体が熱くなるので、スポーツブラとレギンスというスタイルがスタンダードだそうです。
「ルルレモン」のスタッフは、ヨガスタジオなどに出向き、直接ユーザーの声を聞き、それを工場にフィードバック。工場では、山や冬など、人工的にさまざまな環境をつくり、実験や研究を繰り返し、商品を開発しています。
「『ルルレモン』は、ダイバーシティやサステナビリティということもすごく意識していて、生地自体がリサイクルポリエステルで作られている服がどんどん増えています。あと『mymizu』というアプリがあって、登録してここにボトルを持って着てくれたら、ウォーターサーバーで水を提供させていただいてます」とまどかさん。
ランニングの途中に本館4階まで来て「お水ください!」という人もいるそう。百貨店で給水タイムなんて、なんて意外性があって素敵なんでしょう。
「そういう取り組みがありがたいし、これからの時代に向けてつながりますよね」
商品だけでなく、伝えたいメッセージや取り組みに感銘した様子のMEMEさん。気持ちのいいスタッフにも触れ合って、アメリカの友人のように「ルルレモン」のファンになったようです。
※〈Artisan DE LA TRUFF PARIS|アルティザンドゥラ トリュフ パリ〉は2023年7月をもって閉店いたしました。
ショッピングが終わり、食べること、飲むことが大好きなMEMEさんは、本館地2階にある心斎橋フードホールへ。ここは、さまざまな和、洋、中華、エスニック…さまざまなフードをテイクアウト、イートインできる食のパラダイス。お酒好きのMEMEさんが注目したのは、「世界酒BARセカサケ」です。
「心斎橋フードホールで出している料理をここで食べてもらえるので、それに合ったお酒をいろんな形で提案しています。スタッフは、ソムリエや唎酒師、バーテンダーなど、酒に精通したものばかりです」とは店長の渡邉圭一さん。ご自身もホテルオークラや大阪の名フレンチ「ラ・ベカス」で働いた経験のあるソムリエです。
最近、「日本の文化を世界へ伝えたくて」と、日本酒の唎酒師の免許を英語と中国語で取ったというMEMEさん。しかしながら、ご主人がソムリエの資格を持っているので、家ではワインを飲むことが多いそう。ここでもワインを味わおうと、トリュフの専門店「Artisan DE LA TRUFF PARIS(アルティザンドゥラ トリュフ パリ)」へフードを注文に行きました。
「すごいトリュフの香りですよ」とMEMEさんが選んだのは、牛肉の赤ワイン煮込みとフレッシュトリュフ(2,200円)。ワインは、ハーフサイズ(45ml)を3種類選べる飲み比べセット(1,600円)をいただきます。
おいしいワインとトリュフ料理をいただきながら、MEMEさんに心斎橋の街について話をうかがいました。
「今はコロナの影響でなかなかいけないのですが、心斎橋といえば私にとってはやっぱりライブハウス。『ジャニス』とかビッグステップの『ビッグキャット』とか、ライブを聴きに行ったり、パーティをしたり。思い出はたくさんありますね。早くライブを聞きに行けるようになればいいなあ」
「グラスワインは1杯1,100円からですが、1杯6,000円ぐらいの通常グラスでは飲めないようなスペシャルワインもグラスで提供できます」と渡邉さん。そのほか、日本酒、ビール、焼酎、ウイスキー、ブランデー、ラム、テキーラなどあらゆる種類の世界中のレアな酒が並びます。
MEMEさんの心斎橋の話はさらに続き、おいしい肉を食べて思い出したのか、食の話になりました。
「心斎橋には同級生がやっている『れすとらん 源ちゃん』という洋食屋があるんですよ。洋食というと、今は奈良に移転した『洋食Katsui』は、店主の勝井景介さんと仲良くさせていただいていて、よく行ってました。今も2号店の『御堂筋ロッヂ』、Katsui出身の「洋食Matsushita」は行きます。勝井さんのお人柄なんでしょうね。そこを卒業した人のお店もマインドを受け継いでいて、どこもいいですよね」。
「ハイブランドに触れたい時は、大丸心斎橋店に来て、周りのショップを巡ります。大丸心斎橋店はすごく歴史があるし、リニューアルしても昔のものを随所に大事に残されている。昔のオーセンティックな輝きをずっと残しているのはすばらしいなと思います」
ショッピング帰りにはぜひ、“都会のオアシス”「世界酒BARセカサケ」に立ち寄りたいというMEMEさん。心斎橋に買い物に来る楽しみが増えたようです。
FM COCOLO「AFTERNOON DELIGHT(月〜木曜 14:00〜17:00)」DJ。神戸市出身。甲南大学卒業後渡米。阪神淡路大震災を機に帰国。1996年、FM COCOLOのアジア音楽専門番組「Asian Music Shop」でDJデビュー。ファッション全般、食べること飲むことが好きで、今年日本酒唎酒師の資格を英語と中国語で取得。
※ソーシャルディスタンスに配慮しながら、写真撮影時のみ、マスクをはずして取材を行いました。
写真/岡本佳樹 取材・文/蔵 均 WEBデザイン/唯木友裕(Thaichi) 制作・編集/河邊里奈(EDIT LIFE)、松尾仁(EDIT LIFE)
大阪の第一線で活躍する方々と一緒に、生活を豊かにする視点、もの選びのコツに迫ります。館内の注目アイテム、心斎橋のお気に入りスポットをご紹介。心地よい暮らし、大阪のシビックプライドを求めて。
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