Professional's Eyes
スタイルのある暮らし
大阪の第一線で活躍する方々と一緒に、生活を豊かにする視点、もの選びのコツに迫ります。館内の注目アイテム、心斎橋のお気に入りスポットをご紹介。心地よい暮らし、大阪のシビックプライドを求めて。
ARCHIVESファッションや雑貨、インテリアまで、さまざまなジャンルで活躍するスタイリスト、東ゆうなさん。自由な発想と独自の世界観を持つ彼女が選ぶクリスマスプレゼントとは? とびきりのアイテムを探しに、大丸心斎橋店を巡りました。
※2022年8月をもって閉店いたしました。
東さんがまず訪れたのは「GIANNI CHIARINI(ジャンニ キアリーニ)」。レザーバッグ職人の家系に生まれたジャンニ キアリーニが1999年に創設したメイド・イン・フィレンツェのバッグブランドです。洗練されたデザインと機能性を兼ね備えているので、仕事でもプライベートでも使いやすいレザーバッグとして、大人の女性に人気です。
「上品なアニマル柄のバッグが豊富で、価格も手ごろ。自分へのご褒美にしたい!」と東さん。さて、お気に入りは見つかるでしょうか?
「モコモコでかわいい~!」と東さんが試着したのは、エコファー素材のアリファS(24,200円 ※以下すべて税込価格)。デイリーコーデにもドレスアップにも合う、いいさじ加減が気に入ったようです。
仕事柄、大きなカバン3つ持ちで撮影現場に行くこともしばしば。「小さなバッグだけで出かけられる日はなかなかないので…。こういうバッグが愛おしいんです」
「リップを入れるだけのバッグや小さな水筒専用のバッグなど、今年はアクセサリーのように小さなバッグを持つのがトレンド」と東さん。「マイクロバッグを重ね掛けするのもかわいいかも!」とスタイリストならではのアイデアがふくらみます。
「西村さ~ん♡」と東さんが手を振った先には店長の西村真幸さんがいました。西村さんとは10年来のお付き合いで、そのセンスを東さんも信頼しています。ときには撮影に使う洋服や小道具の相談に乗ってもらうことも。西村さんに会えるのも、東さんがここへ来る大事な理由の1つでした。
「関西の女の人はね、一定の年齢になるとヒョウ柄と植物を育てることが好きになる(笑)。DNAに組み込まれてるんやと思う」。レオパードプリントのバッグに惹かれながらも、選びきれないと、この日は店を後にしました。
続いては、本館7階にある「LE COUVENT MAISON DE PARFUM|ル クヴォン メゾン ド パルファム」にやって来ました。南フランスにあるミニム修道院に400年以上前から伝わるボタニカルレシピを用いた、100%ヴィーガンのフレグランスブランドです。
「香りをかぐと、そのときのことを思い出せる」と、東さんがクリスマスの贈り物に薦めるのは、香水。香りはもちろんですが、贈り物だからこそボトルデザインも重要になってくると言います。
「最近の香水のボトルは丸くてフェミニンなデザインが多いけど、ル クヴォン メゾン ド パルファムのボトルはどれもキリッとかっこいい。ユニセックスで使えるし、“出会った!”と思いましたね」
「ボトルを持ったときの重さも考えられていますし、ガラスも特別なものを使っています」とスタッフの大眉りささん。
お気に入りの香りを探す東さんが「これ好き!」と手を止めたのはANORI(アノリ)。キャッチフレーズは“北極海に吹く冷たく凛々しい風の香り”。大眉さんいわく、「マグノリア(木蓮)のフレッシュな香りに、スパイシーなカルダモンの香りも入っています」
お店にあるフレグランスをほぼ全部(!?)テイスティングした結果、東さんはアノリを一番気に入った様子。「こんな香りをプレゼントされたい♡」。
“好みの香り”“どんな場面で使いたいか”“相手にどんな印象を与えたい”など、お客さんの気持ちに寄り添って商品を提案するという大眉さん。そのために、お客さんとの会話を大切にしています。東さんも「おしゃべりするうちに、私そういう香りが好きなんだとか、自分では気づかない自分を教えてもらうのが楽しい。ちょっと占いみたい」
ちなみに、大眉さんの好きな香りは“雌オオカミの直感”をイメージしたHATTAI(アッタイ)。香りはレッドペッパーからココアに、最後はシナモンへと変化するそうです。
※2022年2月をもって閉店いたしました。
さて、贈り物の次はクリスマスに欠かせないホームパーティーの準備です。やってきたのは本館8階にある「Master Recipe(マスターレシピ)」。ワールド・コンテンポラリー・クラフトをコンセプトに、素材、産地、技法などにこだわった世界中のプロダクトを扱っています。
「今年のクリスマスは家でパーティーをする人が多いんじゃないかな。たとえ料理に自信がなくても、テーブルウェアにときめく仕掛けがあったらスペシャル感を演出できる」と東さん。
お目当てのテーブルウェアを探す前に、まずは店内を一周。東さんの好きなお店の条件は、いい香りがすること。マスターレシピの入口にはフレグランスが並び、思わずうっとり。ギャラリーのようにプロダクトが美しく飾られるコーナーでは、背筋を伸ばし、「いいものを見て、女性ホルモンが出てると思う」とにっこり。
「木村硝子店」のワイングラスを見て、瞳を輝かせる東さん。
「1つ1つ形が違うから、みんなでグラスを選ぶところからパーティーが始まったらいいなぁと思って。お酒を飲みだすと、誰がどのグラスだったかわからなくなるけど(笑)、これだとグラスマーカーも要らない」
洋風の食卓に合うように日本酒の平盃にワイングラスの脚をつけたものなど、ラインアップは豊か。商品のセレクトも「日本の工芸品は伝統にこだわりすぎず、今の暮らしに合ったデザインであることを重視しています」と店長の吉本奉加さん。
東さん、ワイングラスに続いて「輪島キリモト」の無垢トレイに熱視線を送ります。「和食にも洋食にも合うし、どうやって使うかを想像するのが楽しい!」。さまざまな形や大きさがあるなかで、「朝ごはんを運んでも、お肉を塊で盛り付けてもクラスアップする」と、オーバル型を購入しました。
滞在すればするほどたくさんの気になるものを発見。「これ、あの人が絶対に好きだと思う!」と、友人や仕事仲間の顔がどんどん浮かびます。クリスマスプレゼントのリサーチも完了したところで、次のお店に行ってみましょう!
アロマも特別な日を盛り上げる方法の1つと「@aroma(アットアロマ)」にやって来ました。こちらは植物から抽出された100% pure naturalのアロマオイルを70種類以上そろえる専門店。アロマシャワーテスターなど体験型サービスも充実。理想の香りに出会えるコンセプトストアです。
こちらには「アロマオイルブレンダー」というオリジナルアロマを作るサービスがあります。ベルガモット、ユーカリ、ペパーミントなど15種類のアロマをお好みの割合で配合できます。今回はお試し……ということで、「ほっとひと息。おうちで森林浴」や「みんなで楽しむひとときに」など、あらかじめブレンドされたアロマの中から気分に合ったものを選びます。
アロマカードにあるQRコードを読み込むと、頭上のシャワーヘッドからアロマが降り注ぎます。「すごいマシン!これは撮影スタジオに置いてほしい!」と東さんも興奮気味。「いい香りだと思うものが見つかれば、それは今の自分に必要なもの」と数種類を試した結果、気に入ったのは“洗練されたイイ男ブレンド”。「えー、なんかちょっとかわいくない。バリバリ働きすぎているのかも(笑)」
アロマの使い方はさまざま。乾燥する時期はマスクに貼るシールタイプや振りかけるミストタイプもおすすめ。「寝るときに喉が痛いとか、鼻が詰まってるときにマスクの外側にシュッとしたら気持ちが和らぎそう」と東さん。
植物本来の香りを感じられる、3種類ブレンドのシンプルなボタニカルエアーシリーズをテイスティング。「私、ゼラニウムがすごい好きなの。これはどういう香りですか?」と東さん。
店長の仁木由美さんが次に薦めてくれたのは「ボタニカルエアーシリーズ」。植物が持つ香りの魅力を最大限引き出すよう、シンプルに3種類のアロマオイルをブレンドしたタイプ。「ゼラニウムの香りが好き」という東さんは、ゼラニウム、ラベンダー、レモンをブレンドした「B16 GERANIUM LAVENDER(ゼラニウムラベンダー)」など、次々とテイスティングしていました。
アロマシャワーを体験した東さんは買い物疲れも吹っ飛んだ模様。「またシャワーを浴びに来てもいいですか?」の問いかけに、仁木さんもにっこりと頷いていました。
お買い物を終えたところで、ハンバーガー好きの東さんが以前から気になっていた「Shake Shack(シェイクシャック)」に初訪問です。
シェイクシャックといえば、ニューヨーク発のグルメバーガーレストラン。ハンバーガーにはホルモン剤フリーのアンガスビーフを100%使用。素材の鮮度を保つために野菜は店舗でカットするなど、食へのこだわりが詰まっているんです。また、ハンバーガーのペアリングとしてオリジナルレシピのクラフトビール、シャックマイスターエールや、ワインなどが楽しめるのも特徴です。
「ベーコンが好きなので」とスモークシャックとホットミルクを注文する東さん。「スタイリングのイメージからか『サラダやケーキが好きそう』って言われるけど、私はいつだってお肉とごはんが一番好き。だから、好きなバーガーはステーキを食べてるみたいな肉々しいやつ!」
スモークシャックはその肉々しさもさることながら、「チェリーペッパー(ハラペーニョ)の酢漬けが入っているので辛みもアクセントです」と店長の長岐崇さん。頬張る東さんも、「ホットな辛みや酸味があるから最後まで飽きない」とペロリ。
食事をしながら東さんが見せてくれたのは、持参したRob Ryan(ロブ・ライアン)の作品集。ロブ・ライアンといえば、大丸・松坂屋のクリスマスビジュアルを手がけたこともある切り絵アーティスト。東さんは彼の大ファンで、以前にロブが大丸心斎橋店北館でトークショーをしたときは仕事の合間を縫って参加。トークショーの後、サインとハグをしてくれた優しい人柄に思わず泣いちゃって、とページをめくります。彼女にとってはこの本も“記憶に残るクリスマス”なのです。
クリスマスシーズン限定のクランベリーチキンを見つけて、思わず追加で注文。本場・アメリカのクリスマスは七面鳥やチキンとクランベリーソースが欠かせないことから、こちらのバーガーはチキンフライと自家製クランベリーソースが主役に。ひとくち頬張り……ご覧の表情。一足早くクリスマス気分を味わっていました。
京都府出身。フリーのアシスタントを経て、2000年にスタイリストとしてデビュー。雑誌、カタログ、広告を中心に活動。雑貨、インテリアからファッション、ウエディングにいたるまで、ジャンルにとらわれず、乙女心とユーモアを感じるスタイリングを得意とする。最近はウインドーディスプレイやショップのヴィジュアルディレクション、百貨店の催事やイベントのプロデュースなど、活動の場を広げている。
※ソーシャルディスタンスに配慮しながら、写真撮影時のみ、マスクをはずして取材を行いました。
写真/コーダマサヒロ 取材・文/福山嵩朗 編集/蔵均 WEBデザイン/唯木友裕(Thaichi) 制作・編集/河邊里奈(EDIT LIFE)、松尾仁(EDIT LIFE)
大阪の第一線で活躍する方々と一緒に、生活を豊かにする視点、もの選びのコツに迫ります。館内の注目アイテム、心斎橋のお気に入りスポットをご紹介。心地よい暮らし、大阪のシビックプライドを求めて。
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