Professional's Eyes
スタイルのある暮らし
大阪の第一線で活躍する方々と一緒に、生活を豊かにする視点、もの選びのコツに迫ります。館内の注目アイテム、心斎橋のお気に入りスポットをご紹介。心地よい暮らし、大阪のシビックプライドを求めて。
ARCHIVES“大人フェミニン”をテーマに展開するアパレルブランド「UNMINOU(アンミヌ)」。その代表を務める大橋あゆみさんが洋服をデザインする上で大切にしているのは、自分らしさを忘れずにトレンドをおさえること。そんな彼女と一緒に大丸心斎橋店本館を巡り、続々と届き始めた春物をチェック。おすすめのコーディネートやコロナ禍におけるおしゃれのトレンドについてうかがいました。
※2024年8月をもって閉店いたしました。
まず訪れたのは、「SIXIÈME GINZA(シジェーム ギンザ)」。「GINZA SIXの『シジェーム ギンザ』のインスタグラムを見ていたら、好きなブランドがいっぱい扱われていたんですよね」と大橋さん。しなやかに生きる大人の女性のためのセレクトショップでは、「本物」「上質」「一流」をキーワードに、気鋭ブランドの洋服からインポート雑貨までが揃っています。
スタッフの杉山真知子さんに春の新作を案内してもらうと、大橋さんが目を留めたのはパステルカラーや華やかなデザインのアイテム。「お家にいるときもおしゃれはしたいので、きれいめの洋服だけど、シルエットはゆったり動きやすい。そういうアイテムに惹かれます」と大橋さん。
その話を聞いた杉山さんも頷きながら、「傾向としては、普段は着ない色に挑戦する方が多いです」。コロナ禍でファッションに対する意識の変化があるようです。
「Amédée(アメデ)」のスカーフを見た瞬間に、「かわいい~!」と大橋さん。スカーフは春先に活躍するアイテムの一つ。「スカーフの柄にネイビーとピンクが入っているのでいろんな洋服と合わせやすそうです。首元に巻いて、薄手のシンプルなニットと合わせるのもいいですね」
さらに昨年からの傾向として、「リモート会議は上半身しか見えないので、胸元や襟まわりにボリュームのある服を選ばれる方も増えています」と大橋さん。
外出時にはマスク着用がマナーとなった今、「耳元にこだわる方が多い」とスタッフの杉山さん。それには大橋さんも同意。
「おしゃれできる場所が限られているので、イヤリングやピアスは毎日つけますね。イヤカフとイヤリングを重ねづけするのが流行っています」と、ショーケースの中をのぞきます。
そこにはパールやダイヤモンドを施した「Hirotaka(ヒロタカ)」のジュエリーがずらり。大橋さんはイエローゴールドのリングが気になり、試着させてもらうことに。「私、指が長くないので大ぶりの指輪を付けることが多いんですけど、これは華奢でもリングが二重になっているから好きです」
「PIERRE HARDY(ピエール アルディ)」のハイソールスニーカーや「Golden Goose(ゴールデングース)」のヴィンテージ加工されたスニーカーを見て、「私は甘めの洋服を着ることが多いので、ピンヒールを履くとかわいらしい感じになってしまうんです。だからあえてこういうゴツめのスニーカーでハズすことが多いですね」と大橋さん。自分の好みを理解しながら、ロジカルに全身のコーディネートを組み立てていくのが大橋さんのスタイルのようです。
※2022年1月をもって閉店いたしました。
続いて大橋さんが向かったのは本館4階にある「‘eir(ゼア)」。ファッション感度の高い女性に支持されているショップです。イタリアのシューズブランド、「FABIO RUSCONI(ファビオ ルスコーニ)」をはじめ、ヨーロッパのハイブランドシューズや個性派バッグなどを多数取り揃えています。
まず大橋さんが手に取ったのは、アルミ缶のプルタブで作られた「DALALEO(ダラレオ)」のメタリックショルダーバッグ。見た目はハードですが肩にかけると「めちゃ軽い!」と驚きのギャップが……。大きすぎず、小さすぎないサイズ感も魅力的です。
大橋さん、今度は「MAISON MARGIELA(メゾン マルジェラ)」のタビシューズに熱い視線を送ります。タビシューズは日本の“足袋”にインスパイアされて生まれたアイテムで、つま先が2つに分かれたデザインが特徴。「履き心地がいいとよく聞くんですけど、私はまだ履いたことがなくて……楽ちんですか?」と店舗責任者の蘆田大器さんに質問。
「足にフィットする方が多く、履き心地がすごくいいみたいです。ぜひ試してみてください」とフィッティングを勧めてくれました。
ブーツやフラットシューズなどいろんな種類があるなかで、大橋さんはパンプスを試着することに。「靴はどんなにかわいくても履きやすくないとダメ」という大橋さん。その履き心地は……?
「革が柔らかくて、指がちゃんと吸いつくから歩きやすい」とフィットした模様。なにより今日のアンミヌのワンピースとお似合いです。
久々のショッピングタイムに大橋さんのテンションも自然とアップ! 気になるものを探しながら、「洋服とソックスの人気はリンクするので、ソックスも透け感のあるものや異素材を組み合わせたものが増えています」「パンプスはヒールが太いと安定感があるので人気」など、デザイナー目線のマーケティングも欠かしません。
「チェーンの付いた財布、めっちゃ便利ですよね?」と大橋さんが何度も鏡の前で合わせていたのは、「MAISON MARGIELA(メゾン マルジェラ)」のスモールレザーチェーンウォレット。コンパクトながら収納がたくさんあるデザインで、ちょっとしたおでかけにも重宝しそうです。
大橋さんが次に立ち寄ったのは「UGG(アグ)」。1978年にアメリカ西海岸のサーフカルチャーから誕生したシューズブランドです。日本で「UGG」といえば、冬に大活躍するモコモコのシープスキンブーツが有名。大橋さんも20代の頃から愛用しています。
ところが、大橋さんの今回のお目当てはブーツではなく、「すごい進化を遂げている」と話すシューズ。ブランドとしてもここ数年はシューズに力を注いでいて、ファッション性と機能性を兼ね備えた最新モデルは、10代のインフルエンサーから80代の方までが愛用しているそうです。
大橋さんは以前愛用していたものに近いモカシンタイプを発見。
「こういうふうにインソールがシープスキンになっていると、素足で履いたときふわふわで気持ちいいんです。冬はもちろん、夏も冷房で足元が冷えるので内側がこれだと温かいですよね」
数あるシューズの中でも、大橋さんの心を射止めたのは新作「LA クラウド ロー」のパープル。その驚きの軽さに「すっごく速く走れそう!」と感動していました。
大橋さんが靴を選ぶときに大事にするのはボトムとの相性。「私が今日着ているワンピースだと、この新作スニーカーが合うと思います。でも、さっきの厚底のスリッポンにはスキニーパンツのほうがバランスはいいと思います」
素敵な靴に出会うと、全身コーデの想像が膨らんで楽しいと大橋さん。ご自身のブランド「アンミヌ」でもいずれは靴を作りたい! と新たな仕事の目標にも繋がったようです。
「SPA CEYLON(スパセイロン)」は、スリランカ王室伝承の植物レシピに基づき、アーユルヴェーダの専門家とともに開発されたスキンケアブランド。本場・スリランカをはじめ、世界23カ国で展開されています。
大橋さんがこちらを知ったのは、お店の前をふらっと通りがかったのがきっかけ。いつも頑張っている友人に贈るのに、アーユルヴェーダのコスメが良さそうだと思ったから。スタッフの丁寧な説明を聞いているうちに興味が湧き、自分用のボディクレンザーもそのとき購入されたそうです。
大橋さんはオフィスだけでなく、自宅でも仕事をするため、オンオフの切り替えが曖昧になりがち。そこでボディクレンザーを購入し、バスタイムで気分を切り替えることにしたのです。選んだのは心と体をストレスから解き放つ、「デ ストレス」シリーズのもの。フランキンセンスやサンダルウッド、タンジェリンをブレンドした柑橘系の爽やかな香りです。
「商品ラベルの使用方法に“大きく深呼吸をしながら、香りを楽しみます”って書かれているんですけど、深呼吸すると本当に気持ちがよくて。毎日体を洗うのが楽しいです」
バスタイムをよりリラックスする方法として、スタッフが勧めてくれたのは「スリープ」シリーズのマッサージ&バスオイル。ラベンダーやイランイラン、パチョリ、オレンジをブレンドした香りで、就寝前のマッサージオイルとしても使えます。
「お風呂に垂らしてバスオイルとして香りを楽しむのはもちろんですけど、ココナッツオイルがベースなので、お風呂から上がるときにそのままオイルをお肌になじませると保湿効果もあります」と「スパセイロン」のスタッフ。
この一石二鳥の役割に、大橋さんも「お風呂上がりにボディクリームを塗るのって面倒なので(笑)」と心を動かされていました。
もう1つ人気商品といえば、おしゃれなデザインが目を惹くアロマイザー。植物や果物から抽出されたピュアなエッセンシャルオイルをブレンドしているので、ナチュラルで心地よい香りが漂います。1部屋に1つ置くために8つまとめて買う方もいるほどの人気アイテム。
大橋さんはテイスティングした中で「フランキンセンス カフィアライム ナチュラル ルーム アロマイザー」が好みだったよう。ボディクレンザーと同様にフランキンセンスの香りに惹かれるみたいです。
※2022年7月をもって閉店いたしました。
オイルの香りで癒された後は、最新コスメを求めて「ETVOS(エトヴォス)」へ。大手のアパレルブランドではシーズンごとにメイクアップアーティストを呼び、販売スタッフにメイクレッスンを行うところもあると大橋さん。それほどメイクとファッションは密接に関わるもの。大橋さんも流行りのメイクは随時チェックしています。
「エトヴォス」は皮膚科学の専門家監修のもと、石鹸オフの肌に優しい国産ミネラルファンデーションを開発。ミネラルコスメやセラミドスキンケアを展開するコスメブランドです。
「今はアイラインではなく、シャドーであそぶ時代」と大橋さん。ラメ系のアイシャドーでおすすめを伺うと、店長の下田順子さんが紹介してくれたのはミネラルアイバーム。
「ラメ感があるんですけど、ツヤ感も出るような仕上がり。あとマスク生活で気になる目元の保湿ケアにもなります」
「トレンドのメイクをするにはツヤ感の出るブラシが必要」と大橋さん。その希望に下田さんが薦めてくれたのは肌の凹凸にぴたっと密着する歯ブラシ型のファンデーションブラシ。また、ブラシとパフが一体となったデュオタッチブラシも小鼻などの細かい部分に使え、自分好みのツヤ感に調整することができます。
「今は透け感のある洋服とツヤのあるメイクが流行っています。メイクのトレンドは一気に変わりましたよね?」と大橋さんが尋ねると、下田さんも「ファンデーションもパウダータイプではなく、うるおい重視のクッションファンデが人気ですね。みずみずしい仕上がりが出やすいですし、全部洗顔で落とせるので」と、今月「エトヴォス」初となるクッションファンデーションが発売されることも教えてくれました。
店内にはメイクアップアイテム以外にも、ヘアケアグッズやスキンケア商品が充実。大橋さんも何気なくマッサージブラシを手に取り、「最近はおうち時間が増えたから、こういうグッズに興味が出てきました。お風呂に浸かりながらマッサージできるのがいいですね」。メイクのトレンドを探りつつ、おうち時間を豊かにするアイテムにも気を配る大橋さん。自分らしさに目を向けながら、自分を優しくいたわることも、これからのおしゃれの大切な要素になってきそうです。
アパレルブランド「UNMINOU(アンミヌ)」代表。バイヤー兼プレスとして、長年アパレル会社に勤務。結婚を機に退職し、2019年4月に自身のアパレルブランド「アンミヌ」をオープン。“服を通してトキメキを”をテーマに、大人の女性が等身大で楽しめる甘さの入ったフェミニンスタイルを展開。関西をもっと楽しむWEBマガジン「anna」のアンバサダーも務める。
※ソーシャルディスタンスに配慮しながら、写真撮影時のみ、マスクをはずして取材を行いました。
写真/岡本佳樹 取材・文/福山嵩朗 編集/蔵均 WEBデザイン/唯木友裕(Thaichi) 制作・編集/河邊里奈(EDIT LIFE)、松尾仁(EDIT LIFE)
大阪の第一線で活躍する方々と一緒に、生活を豊かにする視点、もの選びのコツに迫ります。館内の注目アイテム、心斎橋のお気に入りスポットをご紹介。心地よい暮らし、大阪のシビックプライドを求めて。
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Professional's Eyes Vol.19