Professional's Eyes
スタイルのある暮らし
大阪の第一線で活躍する方々と一緒に、生活を豊かにする視点、もの選びのコツに迫ります。館内の注目アイテム、心斎橋のお気に入りスポットをご紹介。心地よい暮らし、大阪のシビックプライドを求めて。
ARCHIVES大阪で暮らす、ゆかりのある人をゲストに迎え、大丸心斎橋店をクルーズしてもらう「PROFESSIONAL‘S EYES」。今回は吉本新喜劇の座長として活躍中の酒井藍さんが登場。日頃からお世話になっている方への手土産を買う機会が多いという酒井さん、自らも大好きなスイーツを目指してさまざまなショップを巡ってもらいました。
「こないだ、この店のチーズタルトを美容師さんに差し入れしたんですよ」
ふだんから、大丸心斎橋店の地下が好きで、月に数回は足を運ぶという酒井さん。日頃お世話になっている美容師さんに「BAKE the SHOP(ベイクザショップ)」の焼きたてチーズタルトを手土産で持っていったそうです。
「美容師さんにはおいしいって、めっちゃ喜ばれました。私、手土産には、“自分はまだ食べてないけど食べたい!”と思うものを選ぶことが多いんですよ。このチーズタルト、めっちゃおいしそうじゃないですか」
自分ではまだチーズタルトを食べてはいないという酒井さん。それではと今回は特別に別室で、3種類の焼きたてチーズタルトを試食してもらいました。
まずは定番の焼きたてチーズタルトに手を伸ばした酒井さん。
「おいしい〜。めちゃくちゃチーズ。中がめっちゃやわらかい。まわりのタルト生地もサクサク。なにこれ?」とおいしさに感激した様子。続いて、焼きたてチーズタルト ストロベリーをパクリ。
「イチゴがすごく濃厚。こっちも好きやー」
そして、焼きたてチーズタルト チョコレートを試食。
「中のムースによって、タルト生地も違うみたいです。全部違うのに、全部やわらかい。これは人気出るのわかりますね」。
「BAKE the SHOP」は、チーズタルト専門店「BAKE CHEESE TART」や新感覚のバターサンド専門店「PRESS BUTTER SAND」、カスタードアップルパイ専門店「RINGO」など、「BAKE INC.」が展開する人気のブランドスイーツが一堂に集まる国内初の複合店。酒井さんは、PRESS BUTTER SANDをよく差し入れでいただくそうです。
「間違いないですよね。パッケージはかわいいし味はおいしいし。絶対喜ばれますよね。これは差し入れ界の次世代女王ちゃいますか。これまで某ブランドのラスクとかが差し入れ界に君臨してきましたけど、それをぐんぐん追い上げているのがこの子やと思います。“えっ、いつのまにか月9のヒロインやってるやん!”って。そんな勢いですね」
酒井さんの発言を受けて、「私もPRESS BUTTER SANDを最初に食べたときは何このおいしさ!って、カントリーマアムを食べたとき以来の衝撃でした」と店長の五十川玲奈さん。
「店長、めっちゃ面白い! お菓子をお菓子で例えるなんて! カントリーマアムを初めて食べたときの衝撃ね。わかるわ〜」と酒井さん。
酒井さんは、きな粉あずきを試食しました。
「袋もちょっと和紙っぽいですね。形が八角形でかわいい。いただきます。さっきのとは全然違って、めちゃくちゃきな粉。PRESS BUTTER SANDが月9のヒロインとしたら、これは個性派女優さん。“あっ、いつも出てはるなあ”みたいな。いろんな世代からずーっと愛されそうな味です」
最後に焼きたてカスタードアップルパイも試食した酒井さん。
「サックサク! 中のカスタードとリンゴもおいしいんですけど、外のパイがめっちゃおいしい。店長が144層の生地っておっしゃってたけど、確かに1枚1枚めちゃくちゃ薄いですねえ。サクサクで噛んでいったらクリームとアップルと混ざり合ってシナシナになるんですよ。今この瞬間、口の中がめっちゃおいしくなってます」
それぞれ個性が違う看板商品たち、そのすべてにご満悦の様子でした。
※〈覚王山フルーツ大福 弁才天|BEN ZAI TEN〉は2024年1月をもって閉店いたしました。
続いて訪れたのは、昨年大丸心斎橋店にオープンした近年のフルーツ大福の火付け役とも言える専門店「覚王山フルーツ大福 弁才天」。“フルーツよりフルーツ”をコンセプトに、まるごとフルーツが入った大福が人気です。
「フルーツ大福大好きです。『弁才天』さんのフルーツ大福は何回も食べてます。だってめっちゃおいしいですもん」と酒井さん。
店頭には約10種類のフルーツ大福が並びますが、酒井さんはどのフルーツを食べたことがるのでしょうか?
「温州みかん、キウイ、マスクメロンを食べたことがあります。ここのフルーツ大福のいいところって、やっぱりフルーツ。噛んだ瞬間、今採ってきたん?っていうぐらいフレッシュなんですよね。果汁がジュワーっと出てきて、横に飲み物いらんぐらい」
「弁才天」のフルーツ大福のおいしさを熱く語る酒井さん。まだ食べたことがないものをということで、スタッフがすすめてくれたのが無花果です。
「無花果って、皮が薄いので剥くだけでも大変ですよね…あっでも私、無花果農家さんにロケに行ったことありますけど、皮ごと食べるって言ってはりました。おいしい無花果は皮ごと食べれるんですよね」
「弁才天」の無花果のフルーツ大福も皮ごと入っているのだそう。「食べるのめっちゃ楽しみ」という酒井さんに試食をしてもらいました。
「無花果がまるごと入ってるって、こんなんあり? いただきます。みずみずしい!なにこれ、採れた瞬間に包んだん違います? こんな絶妙のハーモニーって可能なんですか? だって求肥で包んだり餡が入ったりしたら、やっぱりフルーツにも浸透するはずじゃないですか? もっと求肥の部分がベチャーっとなっったり、シナってなったりしてもおかしくないのに…」
求肥と餡とフルーツの見事な調和を絶賛する酒井さん、続いて桃のフルーツ大福も食べることに。
「フルーツ大福って、求肥や餡にフルーツの甘さが負けがちやけど全然負けてない。もちろん求肥も餡もおいしいんやけど、ちゃんと本気のフルーツを使ってるんだなというのが伝わってきます。サイコー!」
「弁才天」では、求肥も白餡もフルーツそのものが持つ甘さを引き立たせるために、求肥も白餡もできるだけ甘さを抑えているそう。そんなフルーツ大福を、酒井さんは、おもたせとしてもよく利用するそうです。
「手土産で持っていったら絶対喜ばれます。でもいろんな種類を持って行くと、なんならケンカになりますもん。狙ってるフルーツがかぶったりしたらもう争奪戦ですよ」
大丸心斎橋店の地下でよく買い物をするという酒井さんが、前々から気になっていたものがあるそうです。
「はちみつのお店の前を通ったら、『心斎橋のはちみつ』ってPOPがあって。この大丸心斎橋店でできたはちみつって書いているじゃないですか。いったいどういうこと?って思って」
酒井さんの気を引いた「心斎橋のはちみつ」は、はちみつ専門店「L‘ABEILLE(ラベイユ)」で販売されているもの。
「実は大丸心斎橋店は屋上で養蜂をしているんです。巣箱から飛び立ったミツバチたちは、大阪城公園などで採蜜して帰ってきます。そのはちみつを大丸心斎橋店限定で販売しております」とスタッフの高田美穂さん。
「帰ってくるんですか!ここに? すごい! 心斎橋界隈の草花の蜜を連れて帰ってきてくれるってことは、ほんまの心斎橋の味ってことですよね」
酒井さんは、百貨店の屋上で養蜂をしていることに驚きの表情です。
試食をすすめられた酒井さんは、「心斎橋のはちみつ」をひと口、試食することに。
「いただきます! うーんすごい! 鼻の穴からお花がめっちゃ出てきました。フラワーシャワーがシャーっと。なにこれ? 芳醇でいて味が単調じゃないというか広がりが大きいですね」
ひとつの蜜源だけではなく、桜やアカシアなどさまざまな花から蜜が集められているという高田さんの説明に、「いろんなお花が集まってるのに、いっこもクセないですね。これよく考えたら、何よりも一番の産直じゃないですか?」
さらにお店を見て回る酒井さんに高田さんは、「このお店では12カ国、80種類以上のはちみつをそろえております」とガイド。さまざまな国のはちみつが並ぶ棚を見ながら酒井さん、「イタリアに…ブルガリアでしょ、台湾…エチオピア…いきなり心斎橋って! 面白すぎるやん!(笑)」
吉本新喜劇で座長をつとめる酒井さんは舞台が仕事場。声を張る大切な喉を守るためにはちみつドリンクをよく飲むそう。そこで高田さんにすすめていただいた「はちみつドリンク レモン」の水割りを試飲してみることに。
「めちゃくちゃおいしいやん。私、絶対買おう、これ。究極のはちみつレモンという感じです。はちみつとレモンだけを使っているので、レモンの爽やかさとはちみつのやさしい甘さがめっちゃいい、夏の水分補給にいいですね。持ち歩きたい!」と絶賛です。
さらに興味深そうに店内を見て回る酒井さんは、ハニーディッパーが売っているのを発見。
「こないだ、新喜劇の先輩の森田まりこねえさんのお家で、焼き芋にハニーディッパーではちみつをかけて出してもらったんですよ。ハニーディッパーがある家ってなかなかないでしょ? 私、まりこねえさんの誕生日プレゼントはここではちみつ買うことにします!」
「心斎橋のはちみつ」の余韻に浸っている酒井さんに、次はこのはちみつを使ったスイーツも売っている「黒船」を訪れていただきました。
「『黒船』さんのどら焼きなんて何個食べたかわからない。通算100個は食べてると思います」と酒井さん。「黒船」は、1919年に長崎で創業し、その後大阪に拠点を移したカステラの老舗「長﨑堂」が、従来よりふんわり軽いカステラを目指し2003年から展開している菓子ブランドで、カステラに加えどら焼きも人気です。
まずは、「心斎橋のはちみつ」つながりで、心斎橋はちみつファンクを別室で試食しました。
「やっぱり、はちみつのプロとカステラのプロがコラボするとすごい! しっとりしていて、上にかけられたザラメのザラザラした食感もいいですね」
続いて、大好物という黒船どら焼きもあらためて実食。
「袋がまたおしゃれなんですよね。いただきます〜。生地はモチモチ、つぶあんがまたおいしい。しっとりモチモチだから、口の中の水分取られないんですよね。これはもう安定のおいしさです」
大丸心斎橋店の「黒船」にはイートインコーナーがあるので、こちらのカウンターでいただくことができるドリンクとフードを酒井さんに味わってもらいました。
「えっ、なんやこれ!一瞬カスタードっぽい味なのかと思いきや、ちゃんとカステラですね。なんですかこれ? 不思議」
まず試食したのはカステラQシェイク。黒船自慢の“飲むカステラ”で、黒船カステラと牛乳、卵、バニラビーンズをシェイクしたドリンクです。
「シャリシャリの粒子がめっちゃ細かいんですよ。飲み込んだ後にちょっとだけカステラのもろもろが口に残る。こんな画期的なことあるんですか? 黒船初とメニューに書いてますけど、世界初じゃないですか? すごーい。シェイク界ざわついてますよ。『ペリーが来よったー!』となってると思いますよ(笑)」
続いて試食したのは卵サンド。黒船オリジナルの生地「パンのような、カステラのような。」で卵サラダを挟んでいます。
「『黒船』さんって、なんか表現がいちいちおしゃれですよね。『パンのような、カステラのような。』なんか余韻があるネーミングでいい」と酒井さん。
卵サンドが到着し、酒井さんはガブッとかぶりつきます。
「パンのような、カステラのような…(笑)ほんまや! 食感はカステラですね。カステラ6、パン4って感じ。新しい〜。味は甘いんですけどちゃんとパンやし。おいしい〜。一見カリカリなんかと思いきや、めっちゃしっとり。まさにパンのようなカステラのような。これ考えた人、天才や」
これまでにない味、食感に感激した様子の酒井さん。さらにサンドを食べ進めると…。
「また卵サラダがおいしい。ピクルス入ってますよね? パンが甘めやからピクルスがめっちゃきいてます。カステラの中にも卵が入っているから、卵サラダと相性いいんですかね? 持った感じもちょっとしっかりしたカステラって感じです。新感覚で面白い、ほんでおいしい!」
シェイクもサンドイッチも、これまであまりなかった斬新さ。酒井さんも驚き、ハマったようです。
最後に訪れたのは「MARIEBELLE THE LOUNGE(マリベル・ザ・ラウンジ)」。ニューヨーク発のチョコレートブランド「マリベル」。ゴージャスなソファが置かれたイートインコーナーとショップを併設するエクスクルーシブストアで、ニューヨークの本店以外には、京都と大阪にしかない貴重なお店です。
「この椅子すごい。プリンセスですよね。この囲まれる感じステキー」
酒井さんが座る椅子はアンティークのポーターズチェア。ホテルなどで荷物を運ぶポーターが待機するための椅子です。早速くつろぐ酒井さんに、4種類の味と3種類の飲み方を選べる「マリベル」の代名詞、ホットチョコレートを飲んでいただきます。
「カップがゴールドでまたかわいい! これはスプーンで飲むもんですか? カップから直接飲んだ方がいいですか?」と質問する酒井さんに、スタッフは「しっかり濃いので、スプーンでちょっとずつ飲んでいただいても結構です」
「いただきまーす。うわー、しっかりカカオの味がします。だけどビターすぎず、ミルクで割っているので、口の中に入れたとたんにやさしさに包まれました。おいしー!」
カカオは65%〜70%だそうですが、ミルクで割ることでまろやかさを醸し出しているようです。
「私ホットチョコレート好きなんですけど、こんなにも濃厚で、濃厚なのに甘すぎない上品なホットチョコレートは初めてです。こういう椅子に座らせていただいて、ふだん味わうことのないホットチョコレートをいただくと、悩みも吹き飛びますね。なんかほんとにプリンセスになったかのようでうれしい」と酒井さん。
続いて、イートインコーナーでもいただけるガナッシュが到着。大阪城が描かれたほうじ茶味、道頓堀が描かれたシャンパン味の2種類は、大丸心斎橋店限定のガナッシュです。
「この絵、めちゃくちゃかわいい。またこの形がね、カチカチに決められてない手づくり感があってステキ。それと、やっぱりすごいお店やなと思ったのは、お皿が冷たい。チョコが溶けないように冷やしてるんですね」と酒井さん。
ガナッシュはひとつひとつが手づくり。まずは大阪城が描かれたBrown teaを食べた酒井さん、思わず拍手です。
「チョコなんですよ。でも鼻から抜けていくのはめっちゃほうじ茶なんです。不思議。チョコとほうじ茶がどっちかが勝っているわけではなく、手をつないでいる感じ。なんか、そもそも初めは、僕もカカオの実やったし、私はお茶の葉っぱやでとお互いが会話してる気がします」
続いては、道頓堀の夜景が描かれたChampagneを手にします。
「この夜景の細かさすごくないですか。女子は絶対こうやって写真を撮ると思う」と言いながら、まずはガナッシュを口でくわえた酒井さん、そのまま口の中へとすべりこませます。
「うわ、これもおいしい。シャンパンの味も噛めば噛むほど、うまみが広がっていきます。お酒を使っているチョコレートってお酒感が強くなりがなんですけど、すごくマイルドで、でもちゃんとシャンパンのよさだけ残っている。おいしくてゆっくりとろける。歯、いらんかもって感じです」
チョコを食べながら、ホットチョコレートも飲み続ける酒井さん。飲んでいくにつれ、その飲みやすさをしみじみ感じているよう。
「チョコレートをチョコレートでいただくって、こんな最高なことないですよね。ホットチョコレートは、もったりしてないというか、マラソン中の水分補給のときに渡されても飲めるぐらいスッキリしてます。マラソンはやってないですけど(笑)」
ホットチョコレートを飲み終えた酒井さんは、チョコレートが並ぶ販売コーナーへ。カラフルなガナッシュがたくさん並ぶのを見て、「全部がかわいい。もうアートですね」
「お重のような階段のようなこのセットにも惹かれます」と、ガナッシュがたくさん入ったセットもお気に入りの様子の酒井さんは、「小さい子供も絵を見てかわいいし、大人の方にもすごく喜ばれるチョコレートがいっぱい。ここは、いるだけでテンション上がりますね」
お店の装飾やチョコのパッケージなど、見るものすべてのゴージャスさやセンスのよさにしばし見とれる酒井さん。
「新喜劇の後輩たちを連れてまた来たい。ここのお店知ってたら“藍さん、さすがです!”と言われるお店ですね」
ちょっと舞台を観に行くとき、先輩にごはん会に呼んでいただいたときなどの手土産を買いに、ちょくちょく大丸心斎橋店に足を運ぶという酒井さん。
「大丸心斎橋店で買えば間違いないじゃないですか。定番なものもちゃんとあるし、えっこれ見たことない!って喜んでもらえるものもある。地下だけじゃなくて、こないだ写真の個展をしたとき、本館8階のアンティナギフトスタジオのカタログギフトがめちゃくちゃよくてお礼の贈り物にしました。上から下まで使わせていただいております」
今回また新たな発見があったという酒井さん。気持ちのこもった手土産のバリエーションはますます広がりそうです。
1986年奈良県生まれ。専門学校を卒業後、奈良県警察の橿原警察署で勤務する。2007年、吉本新喜劇の「第3個目金の卵オーディション」に合格し奈良県警察を退職。MBSの『せやねん!』、関西テレビ『よ〜いドン!』などテレビでも活躍。2017年、30歳の最年少で吉本新喜劇の座長に就任し、2020年から地元奈良・田原本町の「たわらもとPR大使」をつとめる。
写真/西島渚 取材・文・編集/蔵均 WEBデザイン/唯木友裕(Thaichi) 編集・プロデュース/河邊里奈(EDIT LIFE)、松尾仁(EDIT LIFE)
大阪の第一線で活躍する方々と一緒に、生活を豊かにする視点、もの選びのコツに迫ります。館内の注目アイテム、心斎橋のお気に入りスポットをご紹介。心地よい暮らし、大阪のシビックプライドを求めて。
ARCHIVESProfessional's Eyes Vol.56
Professional's Eyes Vol.55