
澤田 怜那 北海道芸術デザイン専門学校 学生
春から羽ばたくWebクリエーターの卵
北海道芸術デザイン専門学校は、前身となる学校が1961年に設立されて以来、多くのクリエーターを輩出してきました。卒業後はWebクリエーターの仕事に就く2年生の澤田 怜那さん。いつか彼女の作品に出合える日が来るはずです。

同級生と切磋琢磨して専門分野を学ぶことで、自分の作品や技術に少しずつ自信がついてきたと笑顔で話していた澤田さんがとてもキラキラしていました!今後のご活躍が楽しみです!
澤田 怜那 さわだ れいな2>
北海道芸術デザイン専門学校 マルチメディアデザイン学科 Web・動画クリエーター専攻2年
2004年北海道札幌市生まれ。美瑛高校出身。独学で続けてきた映像やイラストの技術を専門学校で磨き、2025年からWebなどのデザイン制作企業に勤務予定。

映像に心を掴まれる人がいる。その感動が動画制作の原点
「ビセン」の愛称で知られる北海道芸術デザイン専門学校は、イラストやデザイン、建築系の昼間部8専攻・夜間部6専攻を備え、北海道および国内外で活躍する多くのクリエーターを輩出してきました。「百花祭」では、学校のご協力のもと6専攻のテーマに沿ったワークショップが開催されます。
ご紹介する澤田 怜那さんは、Web・動画クリエーター専攻で学ぶ2年生。学校祭実行委員として「白雪祭」の会計業務を担当するほか、学校独自の奨学金制度、選考によって選ばれる返済不要の「パブリック奨学生」として、オープンキャンパスの対応や実習時のアシスタント業務を担うなど、学業以外の活動にも意欲的に参加している学生さんです。
「映像の制作を始めたのは、中学1年生の時から。自分の好きなように作って、気が向いたらYouTubeにアップする“楽しみ”として制作していました。機械音声を使って動画の物語を制作したり、MMDという3DCGソフトを使って既存の3Dモデルを踊らせたりしていましたね」。澤田さんがYouTubeで公開すると、視聴者からコメントが届き、当時のTwitter(X)で交流する機会が広がっていくおもしろさもありました。
「音楽を聴くのも好きだったのでミュージック・ビデオを見ると、心を掴まれている視聴者がたくさんいるんです。コメント欄は、『ものすごく救われました』とか『気持ちを明るくしてもらった』とか、感動のコメントで溢れかえっていて。私も誰かを救ったり、助けたりする仕事に携わりたいと思うようになりました」。
高校卒業後はどんなことで人と関われるだろうと考えた際に、好きだった映像やイラストを生かせる「Webクリエーター」の職業を見つけたことが、北海道芸術デザイン専門学校に進学するきっかけになりました。

美術を学ぶ仲間と先生に囲まれて。自信がついた学校生活
「何かに特化した人から全体的に上手な人まで、いろんな仲間と出会い、言葉の通り切磋琢磨できる学校でした。私にはとても考えつかないようなキャラクターイラストや3Dキャラクターの制作が上手な友人もいて。成長を感じるのは、前向きに物事に取り組めるようになったことです。かつては、授業中に発言し、人前に立つのが苦手でした。でも、専門学校でいろんな学生と仲良くなって、先生たちとたくさんコミュニケーションを取るようになると自分に自信がついてきて、がんばろうという意識が身についたんです。自ら新入生歓迎会の企画案を出したり、体育祭の実行委員長をして人前で挨拶したりできるようになりました」。
芸術の学びを通して、他人のアイデアや技術を認め合う環境。学生さんの意欲を応援して導いてくれる先生の存在。学びの風土が、勇気を出して発言できる自信へとつながったのかもしれません。

学んだ技術を作品に込めた2年間。思い入れがあるのは進級制作
学び始めて2年目。1年次から学んだ技術を駆使して、作りたい作品のイメージを具体的な形に仕上げる力がついてきたと澤田さんは目を輝かせます。
「身についたのはコーディングの技術です。入学当初はまったく分かりませんでしたが、どんなコードを打ち込めば、どのように動くかイメージできるようになりました。前は物語そのものに没頭していたミュージック・ビデオも、今はついつい制作方法を考えてしまいます」。
思い入れがあるのは、進級制作なのだとか。学んだ3D技術をイラスト動画に活用しました。
「私自身が好きなことに一途なので、それを信仰的・宗教的だと捉え、テーマを『教会』に設定。イラストの扉を開くとwebサイトやイラストのページが出てくる仕様なので、美術館の展示をめぐる感覚で見ていただきたい作品です」。1年次の集大成となる進級可否がかかった作品について、ズラリと並ぶ先生の前でプレゼンテーションしたこともよい思い出です。
これから取り組む卒業制作は、テーマから決める、ゼロからのスタート。自分が作りたいモノが作れる場でもありますが、どう物事を捉え、見てくれるターゲットにどのようにアプローチするか、まっさらな状態から考えなければなりません。
「作品を通した人と人との繫がり見てこの業界に憧れたので、その思いをメインに伝えられるよう、Webサイトと映像の両方を制作しようと考えています」と、澤田さんは最終課題となる卒業制作への意気込みを教えてくれました。

来年春からは、いよいよWebクリエーターの世界へ飛び込む!
「かつての自分が憧れたように、私の作品で誰かの感情を動かしたいという思いがあります。学校に通っていても仕事をしていても、好きなことがなければ日常は平凡でつまらなくなりがちです。例えば、好きなアイドルのライブやイベントが決まったりした時に、告知のWebサイトを見た人たちが、ワクワクした気持ちをさらに膨らませ、より一層気持ちを引っ張り上げられるような作品づくりができるクリエーターになりたいです!」。
「好き」から始まった動画制作をきっかけに、クリエーターとしての道を歩み始めた澤田さん。卒業後はWeb業界で技術を磨きますが、趣味として映像や音楽の自主制作も続けていきたいと意気込みを教えてくれました。いつかどこかで、心が揺さぶられる作品を通して彼女と再会できる未来は近いはずです。

※本記事の情報は、2024年9月のものです。